Project/Area Number |
19K02128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北田 暁大 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (10313066)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 社会調査史 / アメリカ社会学 / シカゴ学派 / 科学社会学 / デュボイス / ハルハウス / 社会的なもの / ラザースフェルド / 社会学 / アメリカ社会学史 / 概念分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究は「社会と名指される集合的対象を、特定化し、その集合的状態の変化・改善を、何らかの統制された方法を用いて目指す社会的実践(social practice)」としての「社会調査(social survey)」の歴史・社会的機能を、19世紀末~20世紀半ばのアメリカ社会学、行政、財団の動向に照準して分析するものである。この作業は、現代にいたる量的/質的の区分の誕生や統計的手法の採用の起源を確証し議論を活性化させると同時に、欧州と異なる”social”概念のアメリカ的用法の解明に寄与し、近年注目を集めている「社会的なもの」をめぐる議論のブラッシュアップにも繋がるであろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
社会調査という営みは、近代社会学の生成過程において自明の存在ではなかったし、現在において社会調査とみなしうるよな営みの多くは社会学という学問的領域に収まりうるようなものではなかった。重要なのは、社会学という学問の自律化において「社会を経験的に調べる」という営為がになった制度的・意味的役割を分節しつつ、調査するという営み自体が、学問や言論の機能分化に即して転態していく様相を把握することである、--こうした視点から本研究は、「社会調査と社会学」の関係性の歴史的来歴を探究してきた。
コロナ禍の影響で海外での文献・資料収集が困難となっていたために難航していた本研究であるが、日本にて入手可能な文献資料により相応に有益な研究成果を上げることができている。 基本的には、①W.E,B.デュボイスの計量社会学的手法が持つ歴史的含意とドイツ社会学の影響、そしてそれがアメリカにて結実しえなかったことの歴史的要因についての探究を一層推し進めるとともに、継続的にシカゴ学派についての新研究を渉猟し、シカゴ学派・ハルハウスの歴史的位置付けを考察する、など歴史社会学・知識社会学的な研究を進め、さらには②近代における学術誌とジャーナリズム媒体との分化の過程について理論的・経験的に考察を深化させた。これらの成果を2023年度中に公刊できるよう準備を進めている。 また第三帝国期におけるドイツ社会学(社会調査)の展開については二次文献についての渉猟を終え、日本語でのパイロットスタディー的な研究論文を用意しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記のように、コロナ禍の影響で海外での文献・資料収集が困難となっていたために難航していた本研究であるが、日本にて入手可能な文献資料により相応に有益な研究成果を上げることができている。 とはいえ海外渡航が困難となる状況でのオリジナルな研究の展開には一定程度の限界があり、その点についての挽回が本年度の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はこれまでの研究のとりまとめをするとともに、それらを資料発見的な価値により補強しうる史資料の収集・確認・整理に努める。コロナ禍の間、新しい米国・ドイツでの史資料の探索は相当に限定的なものとならざるをえなかったが、そのぶん、歴史の流れを合理的に解釈・理解する認識枠組みの構成についてより多くの時間を割くことができた。今後は新しく得た史資料をどのようにこの認識枠組みに合流させるかについての考察を、史資料収集の実作業とともに進めていくこととしたい。 また積極的にアルバイトを依頼し、最終年度の取りまとめに相応しい史資料整理・解析を行っていくこととしたい。
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