Project/Area Number |
19K02197
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
岡 知史 上智大学, 総合人間科学部, 教授 (50194329)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 自助グループ / スピリチュアリティ / 自死遺族 / 断酒会 / 組織 / アルコール依存症 / 組織論 / 参加的アクションリサーチ / 自死遺族会 / アクションリサーチ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、自助グループにおけるスピリチュアリティと組織論との関係を参加的アクションリサーチによって明らかにしたい。そのため自助グループとして日本では最も古い歴史をもつ自助グループと、未だ歴史の浅い自助グループを取り上げる。手法としては、リーダーや会員を対象としたインタビューおよび観察、集会やプログラムへの参与観察、自助グループが公にし、あるいは会の記録として蓄積している文書等の分析を用いる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自助グループにおけるスピリチュアリティと組織論との関係を参加的アクションリサーチによって明らかにすることであったが、当初から研究対象である自助グループには、世間でいう「スピリチュアル」的なものを連想させるスピリチュアリティへの強い拒否感があった。これに対して、日本でいう「スピリチュアル」なものとは全く異なるスピリチュアリティの意味について説明を、私は機会を見ては行ったが、その拒否感を払拭するには全く力が及ばなかった。その代わりに以下の方向性を得た。 まず自死遺族の自助グループについては、「死別体験者」と「遺族」を区別した。「死別体験者」が、遺された家族の体験(特に心理的体験)を核とした概念であり、グリーフケア等の遺族支援の対象とされているものであるのに対して、「遺族」とは故人との関係性を核とした概念である。自助グループを「死別体験者」の集まりではなく、「遺族」の集まりであるととらえることによって、その自助グループは、スピリチュアリティと結びつく。なぜなら故人との「生きた関係」の基礎になるのが、スピリチュアリティだからである。 断酒会においては、スピリチュアリティはアルコホーリクス・アノニマスの特徴と理解されているので、その言葉は使わず、断酒会が伝統的に使っている「道」(「断酒道」)に着目し、「道」を歩む「修行」としてのスピリチュアリティを強調することにした。そして2022年度に行ったオーストラリアでの研究活動を通じて、キリスト教的伝統に基づかないオーストラリア・アボリジニのスピリチュアリティに基づく依存症対策について知ることになったが、それとの比較によって断酒会のスピリチュアリティを追究したいと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度の報告にも記載したが、自助グループは、コロナ禍のため深刻な打撃を受けていて、「参加的アクションリサーチ」という自助グループ側の積極的な参加を前提とする本研究は進めることが難しかった。 また2023年度は、私が定年退職を迎える年度であり、学内業務は少なくなると予想していたが、2024年度も特別契約教授として継続して勤務することになり、かなり状況が変わってしまった。したがって、補助事業期間延長承認申請書を出し、2024年度まで研究を実施することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
自死遺族については、研究成果を一冊の本にしてまとめる予定である。断酒会については、オーストラリア・アボリジニの依存症についての研究者3名が、今年度、私の勤務先を訪問する予定であり、断酒会会員との交流により、アルコール依存症の治療にかかわるスピリチュアリティの考察を深めたいと考えている。
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