Project/Area Number |
19K02269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
中村 美安子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (30363857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 一興 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (10194268)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 住民福祉活動 / 活動拠点 / 空き家活用 / 成年後見人 / 空き家情報 / 住民福祉活動拠点 / 生活支援 |
Outline of Research at the Start |
財政基盤の弱い住民福祉活動が無料又は低額で借り受けることの可能性の観点から空き家活用に着目し、住民福祉活動が生活支援活動に取り組む際の活動拠点を、空き家活用によって確保するための具体的方策を明らかにしようとする。適した空き家の条件及び借り受けようとする場合に住民福祉活動側が用意すべき条件や課題点を把握する調査を実施し、それら結果をもとにテキストの案を作成、それを活用して都市圏の市町村社協等住民福祉活動支援者、住民福祉活動者に対し意識啓発を働きかけるとともに、実態把握と意見の収集を行い、実践的な確保方策を検討するための材料を得る。
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Outline of Annual Research Achievements |
空き家活用を躊躇させる要因には、空き家の所在情報の把握の難しさ(確保の難しさ)と維持管理負担感(鍵の管理、草むしりや建物の維持管理の負担感)がある。維持管理の負担については、先進例の現地調査では、鍵の複数人管理などの工夫による軽減が見られたり、その負担は想像するより小さいという意見があり、未経験者の想定不安が大きいことが推察された。空き家の所在情報の把握の難しさについては、本研究で成年後見人が空き家情報が集積する場になっていることを明かにしてきたが、今年度は、他の可能性も検討するため地域の空き家情報とボランティア団体等をマッチングする制度をもつ横浜市建築局住宅部住宅政策課(空き家マッチング制度)と福岡市社会福祉協議会(地域貢献型空き家活用事業)に対し、空き家情報の把握の現状や方法、課題について把握するヒアリング調査を実施した。その結果。共通して活用したい団体の登録数に対して、提供する所有者の登録数が少なくマッチングが進まないこと、成立したケースでは、所有者が希望する賃貸料より減額することが多い状況があった。所有者に制度の情報が届いていない、福祉団体に貸すことのイメージや理解が浸透していないことが要因として推測される。本研究で明らかにした、成年後見人が空き家情報が集積する場であることについては、福岡市社協が法人後見を実施する中で、その活用を検討し始めたこと、被後見人のメリットが大きく家庭裁判所が認めない理由がないとの認識を有することを確認し、本研究で得た結果を支持する結果を得た。また、住民福祉活動への貸出が地域貢献の意義のみならず、低リスクかつ安価に物件管理ができ、休眠資源を有効活用できるメリットのある取り組みであることを周知する手引として『漫画でわかる空き家活用のすすめ~住民福祉活動拠点を空き家活用で~』を作成し、機関リポジトリにアップするとともに全国配布した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
空き家マッチング事業に取り組む先進地域のヒアリングを実施し、関係者の手引きとなる『漫画でわかる空き家活用のすすめ~住民福祉活動拠点を空き家活用で~』を作成し全国の都道府県社会福祉協議会、空き家マッチング実施自治体ほかに配布できたが、本研究において2020年に実施した調査で空き家活動拠点を有して生活支援活動の実態があると把握した4社協(11地区)のうち昨年度現地調査した船橋市社協を除く3地区についての現地調査は、コロナ禍を経て活動状況に変化が生じたため実施にはいたらなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
空き家活用を躊躇させる要因である「空き家の所在情報の把握の難しさ」「維持管理負担(感)」のうち前者は貸す側(所有者)の不安(「何らかのトラブルは起きないか」等)、後者は借りる側(住民福祉活動団体)の不安(「何かしら大変なんじゃないか」)に由来していると推察される。空き家活用を進める方策を検討するうえで、両者の不安を除去することが肝要である。次年度は、貸す側借りる側それぞれの不安を除去し、未経験団体、未経験所有者に今後前向きに取り組めるような検討材料を提供できるようにするため、すでに空き家活用によって活動拠点を確保している活動団体とそこに貸し出している所有者の現状認識を明かにすることによって、具体的に解決すべき課題を洗い出すことに取り組む。今年度作成した手引を活用し、関係者の空き家活用への啓発を図る。
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