仏教系の育児事業等における里親制度の成立に関する総合的な歴史研究
Project/Area Number |
19K02289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | Tottori College |
Principal Investigator |
菅田 理一 鳥取短期大学, その他部局等, 准教授 (70611383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 義昭 淑徳大学, その他部局等, その他 (50258927)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 里子養育と施設養護実践 / 岡山孤児院賛助員 / 乳幼児保護 / 仏教系育児施設 / 里親制度 / 里親委託 / 里子養育 / 里親村 |
Outline of Research at the Start |
近年里親制度の必要性と重要性が注目され、特に、厚生労働省の「新しい社会的養育ビジョン」(2017年)では、今後は里親あるいは小規模施設での家庭的な養護を推進するという画期的な政策が具体化しつつある。里親による家庭養護が、戦前期までの日本でも実施されていたことはほとんど認識されておらず、その実態も未解明の部分が多く残っている。 本研究では、先行研究や研究代表者及び分担研究者の研究蓄積を踏まえつつ、日本での里親制度における養護実践のルーツと内容を解明し、その特質や固有性を分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
福田会育児院、愛知育児院、岡山孤児院、さらに洛北地方や生駒地方の里親養育(委託)における個別の養護実践事例の発掘に努め、その特徴を分析した。全国的な感染症蔓延の影響による移動制限が続いたため、地域型の里親制度の調査の一部を延期し、里親養育(委託)から施設養護に発展し両者を一体的に実施する形態(一体型)、施設養護の実践から里預制が誕生し両者が連携していく形態(連携型)の個別の養護実践事例の検討を進め、地域型の調査に向けて関連資料の整理及び分析を実施、さらに岡山孤児院の資料から賛助員についての分析を実施した。 福田会育児院(一体型)の個別の養護実践事例からは、里子養育と施設養護実践を一体的に行う工夫の実態が見えるが、特に大正期以降の事例では、養護実践の質を重視していた。例えば、乳児から里親養育を受けた子どもが3年程度の里親委託期間を終え、里親とともに施設(福田会育児院)へ出向く。施設では里子の身体の発育は充分できたことの確認とそれについての感謝、里親村の名物を土産に里親家庭皆で出向いて施設へ送りに来たことなどを記録している。さらに施設入所直後のケアを里親と里子の関係に配慮しつつ施設養護の場において暖かく迎え入れることを入念に行っていた。 時期、施設によって、各施設は養護の必要な事態に対応し、施設側の限られた条件のなかで、里親委託し養護実践を行っていたが、その内容は子どもを大切にするという考え方のもとに実施されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全国的な感染症蔓延は本年度も続いたため現地調査の一部は次年度延期としたが、調査可能であった他地域の資料調査から地域型の分析に資する知見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までの研究結果を踏まえ、個別の養護実践事例から、一体型の里子養育、連携型の里子養育、地域型の里子養育の特徴を比較し、日本の里親制度のルーツの解明に努める。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)