地震災害後の高齢者QOL劣化状況把握と低減に資する時空間評価システムの構築
Project/Area Number |
19K02359
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
|
Research Institution | Mie University (2020-2022) Osaka City University (2019) |
Principal Investigator |
志垣 智子 三重大学, 学生総合支援機構, 特任講師(教育担当) (00722513)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 地震災害 / 高齢者のQOL / 居住環境 / 多職種連携 / 高齢者住宅等 / 救急医療情報の更新 / 救急医療情報 / サービス付き高齢者向け住宅 / 救急搬送 / 高齢者住宅 / QOL / 災害弱者 |
Outline of Research at the Start |
本研究は平常時に加え地震災害時の人間対応能力のさらなる解明に向けて救急活動記録を分析し考究する。その際、主対象を介護・看護・医療ニーズが特に高い高齢者住宅等とそれらへの入居高齢者に限定し、その上で災害時の住宅環境下の高齢者QOL劣化度を分析し、その抑制に資する時空間評価システム構築を企図する。 具体的には高齢者住宅等での地震被害調査による人間被害を手始めとし、平時から地震災害までを一貫的に捉え、地震前後の救急活動記録等に基づき中学校区別に搬送実態の分析・評価を行う。同時に多職種から成る研究委員会を主催し震度別・疾患別・住戸の縦横比別・後方支援有無別等で峻別した時空間評価システムを創意し検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平時から地震災害時を一貫的に捉え、地震災害後の高齢者QOL劣化抑制に資する時空間評価システムを構築することを目指す。 研究4年目の今年度は、新型コロナウィルス感染症第7波の影響で大阪市内の高齢者住宅等へ現地調査することが困難であった。そこで、長期的な視点で地震災害による高齢者QOL劣化状況を把握するため、分析対象の2018年大阪北部を震源とする地震発生から約3か月後に襲来した平成30年台風第21号(関西に接近・通過)に伴う人的被害評価を行った。その結果、風速の高低と救急搬送件数の増減は調和的であった。すなわち、最大瞬間風速の時間帯に大阪市内の救急搬送件数がピーク(死者3名発生)を迎え、119 番通報の受信状況は停電時にピークに達した。また不搬送件数が通常より6ポイント高く最大瞬間風速を迎える時間帯より前にピークを迎えた。さらに60歳以上の中等症以上の占める割合がより高いことが確認できた。 長期的な視点で地震災害に伴う人的被害を把握するために、石巻市災害弔慰金支給に係る資料と災害障害見舞金支給に係る資料に基づき、2011年東北地方太平洋沖地震による関連死から高齢者の人的被害の実態を検証した。デイサービス、グループホーム、ショートステイ、介護老人保健施設、特別養護老人ホーム等での死者は震災関連死全体の1割を占める。建築物に被害がなくとも誤嚥性肺炎(脳梗塞)、肺炎、うっ血性心不全、多臓器不全等が死因であった。死亡日の最終は2011年8月13日であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、2022年度に高齢者QOL劣化抑制に資する居住環境指標抽出と多分野専門職によるその妥当性評価、さらに地震災害後の高齢者QOL劣化抑制に資する時空間評価システムの構築と検証を実施する予定であった。 しかしながら、2022年度の新型コロナウィルス感染症による第7波以降、福祉の現場は新型コロナウィルス感染症・クラスター等防止の感染対策に追われたため、調査実施が困難であった。そのため2022年3月に発生した福島県沖を震源とする地震(最大深度6強)被害の調査は未実施である。 地震災害による高齢者QOL劣化抑制に資する居住環境指標をさらに検討・補強するため、石巻市災害弔慰金支給に係る資料と災害障害見舞金支給にかかる資料を収集している。引き続き、高齢者住宅等での地震発生直後の詳細を死亡診断書、事故状況報告書、看護記録、家族の意見書、日誌等に基づきどのような経緯で高齢者は死に至ったかを分析する。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は石巻市災害弔慰金支給に係る資料と災害障害見舞金支給に係る資料分析より、2011年東北地方太平洋沖地震発生直後より高齢者のQOL劣化抑制に資する居住環境指標を抽出・検討する。 「平時から地震災害時へリンクした高齢者の健康と居住の安定を考える研究委員会」を随時開催し、地震災害後の高齢者QOL劣化抑制に資する時空間評価システムを構築・検証する。 学会発表等を通して随時報告していくこととする。
|
Report
(4 results)
Research Products
(10 results)