新規の蓄光布を用いて視認性及び持続性に優れ社会的弱者の安全に配慮した蓄光服の創製
Project/Area Number |
19K02382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
小野寺 美和 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (90523762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 明日香 四天王寺大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (30413446)
竹本 由美子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (90581926)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | りん光 / 蓄光材 / 唾液アミラーゼ活性値 / 染色 / 蓄光糸 / りん光輝度 / 洗濯試験 / 摩耗試験 / 高視認性 / 再帰性反射 / 視認性 / SD法 / 薄暮 / 蓄光布 / ストレス / 唾液アミラーゼ / 心理的影響 |
Outline of Research at the Start |
筆者らはこれまでに蓄光糸【光を蓄え自ら長時間発光することが可能な糸】を用いた織組織や編組織の異なる蓄光布の耐久性とりん光輝度の変化について研究を行った.耐久性について改善すべきところはあるが,りん光輝度のJIS規格の一部を満たす蓄光布の作製に成功した.本研究では蓄光糸への染色の可能性と,染色した蓄光糸を用いて作製した蓄光布が,どの程度の耐久性を持ちりん光するのかを実験的に検証し,多彩な衣服への利用に繋がる蓄光布の創製を試みる.また蓄光布を知覚するヒトに着目し,ヒトの心理に与える影響を解明し,社会的弱者を守る視認性と耐久性と機能性に優れた新規の蓄光布の創製と衣服設計の実現を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
蓄光材のりん光は,ほのかに青色や緑色にりん光する.この青色や緑色には「落ち着いた」,「心安らいだ」などと表現されることが多く,暗闇でりん光することは人に安心を与え,癒しに繋がったという報告もある.さらに,自然界の水圏環境においても,蛍のゆらぎのある光に癒しの効果 があることが示されており,蓄光素材の発するりん光もそれに近い癒しを与える可能性が考えられる. そこで,我々はJIS Z 9107 の基準をクリアした視認性をもつ色味が「OFF- White」の蓄光起毛布を実験試料として選定し,蓄光材のりん光がヒトの心理に与える影響について,恒温恒湿室内の暗所環境下でりん光状態の蓄光起毛布を視認した時の,唾液アミラーゼ活性値によるストレスの増減値と,「服装により生起する感情状態尺度」を用いたSD法主観評価実験によって検証した結果,蓄光材のりん光には,ヒトに安らぎをもたらす可能性があると示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
蓄光布を知覚するヒトの心理的影響について、視線計測システムで解析可能な視線計測機械と脳波周波数で解析可能な機器を用いて検討している。暗所に曝露された蓄光布を視認したヒトの心理的影響を、唾液バイオマーカーと、『服装により生起する感情状態尺度』を用いてSD法主観評価測定値から検討しているが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、被験者の確保と、実験環境設定に非常に苦戦している。
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Strategy for Future Research Activity |
近年,蛍光素材の色が10 色( Mipox株式会社カタログ参照)以上に増え,再帰性反射素材の形状も自由になっている.このように,配色やデザインを工夫することが可能であることを周知することで,高視認性素材を取り入れた製品展開に繋がることが大いに期待できる.ところが,蓄光素材は蓄光原料に光が照射されなければならないため,染色が難しく色のバリエーションが乏しい.我々も,蛍光素材や再帰性反射材素材に施されている配色のような普及に繋がる試みとして,蓄光布の染色性についても研究を進めており,現在は色が異なる蓄光糸8色から蓄光布の製作に着手している.現在計画している「OFF- White」以外の色相の蓄光糸と,青色や緑色以外にりん光する蓄光材の光がヒトの感覚と知覚と認知に与える影響ではないかと考えた.そこでまず,色が異なる蓄光布を用いて,この蓄光布がヒトの知覚である視認性(主に視覚情報機能の視覚情報処理系)に与える影響について,視線の動きはVRゴーグル【「VRヘッドマウントディスプレイ」の装着>による視線情報計測(以下VR-HMD)】で,脳活動の働きは,脳血流量“脳機能計測法の1つNIRS”と心拍を同時に測定できる携帯型脳活動計測(以下HOT-2000)用いて調査を行う.また蓄光布を視認したヒトの主観に及ぼす影響は「服装により生起する感情状態尺度」を用いたリッカート尺度法によって検討する予定である.
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Report
(4 results)
Research Products
(13 results)