Project/Area Number |
19K02505
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09010:Education-related
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
河野 和清 京都光華女子大学, こども教育学部, 教授 (30116579)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 教育委員会 / 市町村教育長 / 組織の健全性 / 組織健康 / 教育長 / 組織開発 / 計画的介入 / 市町村教育委員会 / 組織論的研究 / 教育委員会の形骸化 / 組織特性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、市町村教育委員会の組織の健全性を規定する要因等を理論的、実証的に明らかにするため、初年度は、本研究の分析枠組(理論枠組)を決めるべく、先ず、市町村教育委員会の教育長と教育委員を対象に事例調査(面接調査)を行い、教育委員会の組織の健全性がどのようなものであるか、また形骸化の実態等について検討する。次年度は、前年度の面接調査の結果を踏まえ、市町村教育長を対象に「市町村教育委員会の組織特性に関する全国調査」を実施し、市町村教委の組織特性やその規定要因及び行政活動への影響について実証的に検討する。最終年度は、前年度の全国調査の結果を踏まえ、その成果を報告書にまとめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
1990年代後半以降、いじめ問題や体罰等への不適切な対応をめぐって、教育委員会は、その「形骸化」や「機能低下」が厳しく指摘、批判され、その結果、首長や新教育長の権限強化など大幅な制度改革が行われ、2015年より新しい教育員会制度がスタートした。しかし、この新教育委員会制度は制度改革として一定の評価はされるものの、依然として、教育委員会の組織としての機能低下ないし形骸化の問題は解決されないままでいる。 このような問題認識から、本研究では、教育委員会の組織としての健全な姿(=組織特性)とは何かという根本的な問いから始め、それがどのような要因によって影響を受けるとともに、それが教育委員会の行政活動や政策立案等にもどのような影響を与えるかを包括的に検討し、もって教育委員会の機能低下・形骸化の問題に解決の糸口を見出すことを目的とした。 以上の研究目的を達成するため、初年度と二年度は、本研究の分析枠組を決めるため、市町村教育長等への面接調査や文献調査を行う予定であったが、コロナ禍にあって、文献収集とその分析が中心となり、ある程度の分析枠組の計画化を図るにとどまった。そして三年度と四年度は、市町村教育長への面接調査と質問紙調査を行う予定であったが、コロナ禍と申請者の体調不良等により、それが困難となった。ただ、この間、本研究の分析枠組を考えるにあたって、近年の社会動向からみて、①職員のwell-beingの観点から組織の健全性を捉えなおす必要があること、また、②組織の健全性が何によって担保され、それが行政や政策活動のどのような影響を与えるかを検討する必要があることなどが明らかとなった。以上のことを踏まえて、研究の期間延長の認められた本年度(五年目)では、教育長への聞き取り調査と質問紙調査を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
概要のところでも述べたように、新型コロナウイルスの感染等により、引き続き、教育長等への聞き取り調査や米国での文献調査が行えなかったこと、また、一昨年の後半以降、申請者の体調不良(入院等その他)の理由により、本研究の分析枠組の策定が必ずしも十分にできず、三年度(昨年度)に続き、研究計画の実施に大幅な遅れが生じたことを認めざるを得ない。ただ、厳しい制約下にあって、本研究の方向性も少し見えてきており、また、コロナ禍も終息に向かいつつあるので、本年度は、市町村教育長への聞き取り調査に加えて、質問紙調査を実施していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は、以下の通りである。 前年度の反省点を踏まえ、今年度は、本研究の理論枠組として、次の諸点を考慮に入れて、先ずは市町村教育長への聞き取り調査を行い、次にこの調査を踏まえ、質問紙調査をおこなうことにする。考慮事項とは、①委員会事務局職員のwell-beingの観点から組織の健全性の問題を捉えなおすこと、②社会の変化に教育委員会がどう対応しているか、環境への適応性に着目すること、③特に学校や地域との連携をどのように図っているのか、④組織の健全性は何によって担保され、それが行政活動や政策立案にどのような影響を与えるのか、などである。なお、政策立案に関しては、文化事業もしくはコロナ対策事業等に焦点を当ててみたいと思う。 以上、期間延長を認められた本年度(5年目)は、市町村教育長への聞き取り調査と質問紙調査を行い、本研究課題の達成に努めたい。
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