Project/Area Number |
19K02627
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09030:Childhood and nursery/pre-school education-related
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Research Institution | Sagami Women's University |
Principal Investigator |
宇田川 久美子 相模女子大学, 学芸学部, 教授 (90513177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 浩子 国立音楽大学, 音楽学部, 教授 (00587347)
佐伯 胖 田園調布学園大学, 大学院人間学研究科, 教授 (60084448)
岩田 恵子 玉川大学, 教育学部, 教授 (80287812)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | よさの未定義性 / 訴えの相互交渉 / 能力観の捉え直し / 脱目標化 / 表現(representation) / ゲシュタルト / おもしろさ / ケアする / おもしろさの発見 / 知的(cognitive)な営み / 中動態(middle voice) / 対象との対話 / 表現 / まじめなおもしろさ / おもしろがろうとする意思の交換 / 個々のおもしろさの尊重 / 「おもしろがる世界」への共感 / 保育 / 遊び |
Outline of Research at the Start |
保育において、子どもが特定の遊びを自分で見つけ出し、そこに仲間が加わったりしなら、遊びの活動がどんどん展開することもあるが、すぐに飽きてしまって、いつのまにか立ち消えてしまうこともある。そこで、遊びが多様に展開し、持続していく場合を考えると、そこには“おもしろさ”の発見と“おもしろさ”の多様な展開が見られるのではないだろうか。本研究では、遊びの“おもしろさ”に焦点をあてて、その本質を探り、それが持続・展開するための条件、そこでの保育者の役割を明らかにする。さらに“おもしろさ”が他者と共有され、伝達されるというときの心的プロセスについて、間主観性の心理学の観点から分析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、2022年度までに積み上げてきた分析結果を踏まえて、“よさ”の未定義性のなかで「能力」の捉え直しを行った。保育において、子どもの「能力」を高めることが保育者の役割であるということが暗黙の了解となっている。そのため、保育者は「できる・できない」に焦点化した「能力」観に縛られてしまい、子どもの世界(遊びにおけるおもしろさの探求)が見えなくなってしまう。そこで、いままで収集したデータを分析し、「能力の向上」だけでは測りきれない子どもの発達/学びについて明らかにした。 その結果、以下の3点が明らかとなった。①保育者は、子どもの発達、さらには保育者自らの保育にかかわる行為の原因が、「能力」というモノであると、あたかも実体論的に備わっているかのように捉えてしまうことで、あらかじめ定義された“よさ”を通してのみ子どもを見ることとなり、周囲の人、モノ、コトとのかかわりのなかであらわれ出てくる子どもの真の姿が見過ごされている。②大人は子どもができるようになることに意味を見出し、それに縛られる一方、子どもは、子どもの内側から起こる根源的能動性により、“よさ”を自ら考え、見出した結果としてできるようになっている。これは決して「能力」を身に着けたわけではなく、「能力」というトラウマから抜け出ていることを意味する。③一人ひとりの子どもたちのどのような「思い」も互いに聴き合い、“よかれ”という願いや訴えのもと、その子どもの「思い」を最大限に生かそうと共に探求した結果、子どもたちは自ら“よさ”に向かって成長していくことから、「能力の向上」は成長のゴールでも保育の目的でもない。 今後は「できる・できない」という評価とは異なる「評価」について、“よさ”の未定義性のなかで追究する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響により中断していた保育現場の視察で収集したデータを分析し、これまで積み重ねてきた分析結果と合わせて整理、分析したところ、保育における遊びのおもしろさの生成、持続、発展を阻んでいる能力観が背後に潜んでいることが明らかとなり、新たな分析の視点を得ることができた。 具体的には、保育の目的を「能力の向上」とすることで、「できる・できない」を基準として子どもを評価することとなり、それが“よさ”の未定義性の足かせとなって、おもしろさの生成、持続、発展に重大な影響を及ぼしている。これにより、脱目標化による能力観からの脱却が重要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
遊びにおけるおもしろさの意義を明確にするため、“よさ”の未定義性のなかで「できる・できない」という評価とは異なる「評価」について究明する。従来の評価とは異なる「評価」の究明に必要となるデータを海外も含めた教育現場の視察、及び、保育現場の参与観察を実施することで収集する。
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