語彙力育成原理の認知科学的応用言語学的研究に基づく実践方法の開拓
Project/Area Number |
19K02823
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
塚田 泰彦 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (50163762)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2019: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 語彙知識 / 語彙学習方略 / 定義法 / 文脈方略 / 語彙指導法 / 語彙力 / 語彙意味論 / 語彙習得 / 認知科学 / 応用言語学 / 語彙指導 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、語彙力(語彙知識)の概念を論理実証主義や認知科学の知見に基づいて再定義し、近代的で伝統的な知識観を改編して、個々人の言語使用実態に即した新たな有用な語彙知識観を提示するために、一年目に原理的な文献研究を行う。 本研究の研究領域は「言語教育学」であり、関連学問領域の最新の知見に基づいて新たに定義した語彙力を育成するために、伝統的な語彙指導の方法を改善し、その新たな方法の実践的な有効性を実証するために、2年目に実験授業を実施してその成果を明らかにする。 3年目は、1~2年目の研究を省察しつつ、研究成果を内外の研究機関を通じて発信し、教育実践上の知見として批判的に再考する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和元・2・3年度を通じて、語彙教育理論の要点整理と語彙知識の多様性を踏まえた実践上の課題を特定し、その実践への応用のために3つの語彙学習方略についての調査研究を実施し、研究成果についての要点整理を行い4回学会発表した。ただしこの間、コロナ禍の影響で公立小学校での調査が遅延したこともあり、調査結果にもとづく学習者の実態の確認と指導上の課題については、令和5年度に研究発表した。1)日本読書学会第67回研究大会での発表。本発表では、語彙学習方略としての「定義法」の重要性と実践における問題について確認し、学習者の意味調べ行動について、実際に調査した結果を中心に論点を明確にした。要点は、小学生の辞書での意味調べの実態と問題点を明示するとともに、大学生がネットや電子辞書での検索を優先する意識を明確にした。両者には意味調べに関する意識に大きな隔たりがある実態があり、語彙指導上の現実的な課題が特定された。2)第145回全国大学国語教育学会での発表。本発表では、語彙学習方略としての「文脈」方略について、実践的に曖昧なまま取り扱われがちな「文脈」概念を再定義した上で、語彙学習におけるこの概念の実効性を捉えるために「定義法」を組み込んだ調査研究を実施した結果を発表した。「文」作成法による新語の学習が不適切な結果をもたらすことが海外の研究で示唆されていたため、この手法の日本での実態を調査するとともに、申請者がこの問題を改善するために開発した「ことば当てゲーム」を実施し、定義法を中核とする「文脈学習法」の有効性を実証した。 本年度までで、3つの語彙学習方略の原理的実践的検討は調査研究に基づいてほぼ終了しているが、調査研究の一部(「語の部分」方略=語構成要素の意識化の実態)が未発表である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
語彙習得理論に基づく語彙学習指導法の開発の中核となる3つの「語彙学習方略」の原理的研究を踏まえた調査研究はほぼ終了しているが、その分析結果に基づく国語科での指導上の課題の確認のうち、「辞書/定義」方略と「文脈」方略については研究発表を行ってきているが、「語の部分」方略についてはまだ研究成果の発表を終了していない。また一連の研究としてこれら3つの語彙学習方略をめぐる原理的実証的研究成果を総合的に検討して新たな語彙指導法を開発することが最終目的であることから、この部分にも遅れがでている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに実施した調査研究データの一部と昨年度(令和6年2月)に実施した公立小学校での同様の調査結果の分析と併せて、「語の部分」方略(=形態素意識化方略)に関する分析結果を学会発表する(全国大学国語教育学会鹿児島大会、令和6年5月25・26日予定)。その後、一連の調査結果に基づいてこれまでに研究を推進してきた3つの語彙学習方略(「語の部分」方略・「辞書/定義」方略・「文脈」方略)について、これらの研究成果を総合的に整理して国語科での語彙指導法の改善課題と改善方策を明示する。最後に語彙拡充としての語彙指導の要点を「意味指導」の観点で再検討して学習者の語彙習得上の問題に関して総括的な見解を得る。
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Report
(5 results)
Research Products
(11 results)