Project/Area Number |
19K02872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09050:Tertiary education-related
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 勝久 神奈川工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90364299)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 国際バカロレアDP / アドバンスドプレイスメントテスト / 大学入学前プログラム / 高大接続 / 国際バカロレア / ディプロマプログラム / 国際バカロレア ディプロマプログラム / 国際バカロレア ディプロマプログラム / 大学入学前教育プログラム / アドバンスド・プレースメントテスト / ピッツバーグ |
Outline of Research at the Start |
本研究では、米国のハイスクールで大学入学前教育プログラムとして導入されている国際バカロレア・ディプロマプログラムとアドバンスド・プレースメントテストの比較をとおし、これらのプログラムが固有の地域の社会経済的背景の中でどのような教育的役割を帯びて運用されているのか実態を明らかにし、その社会的影響を考察する。この結果を基に、日本で展開される大学入学前プログラムと高大接続の実態を考察・検討し、予期される課題を見出すとともに、課題解決のための提言を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、米国のハイスクールでの大学入学前教育プログラムとして導入されている国際バカロレア・ディプロマプログラムとアドバンスド・プレイスメントテスト・プログラムの比較をとおして、これらのプログラムが固有の地域社会でどのような教育的役割を担い運用されているのかを実態を通して明らかにしていく。 研究計画では、①大学入学前プログラムの内容と運用、教育的・社会的影響、②プログラムの運用実態、③プログラムの運用に関わる社会的背景と学校・教育科値への影響、そして④プログラムの持つ社会的・教育的ポテンシャルの四つの局面を視野に入れ、実態を明らかにしつつ課題を見出すこととした。 2023年度においては、2022年度末に行った現地での聞き取り結果を整理しつつ考察した。現地調査を通して身に染みたのは、私が米国を去った2001年以降の米国の中等教育の激変ぶりである。2002年に施行された「落ちこぼれ防止法」では州による標準テストの導入と州監督・学校の説明責任の厳格化が図られた。2022年度末に行った現地調査では、とくにピッツバーグ市の近郊学区のハイスクール(Woodland Hills High School)において、「落ちこぼれ防止法」以降の現場の状況を、カリキュラムと卒業認定に至るプロセス(授業~標準テスト~補講等の手当て)から伺い知ることができた。2015年のトランプ政権以降、米国では学校選択制の名の下に学校のビジネス化が推し進められたが、ピッツバーグ市においては公立のIBマグネット校の生徒獲得を脅かす形で企業立学校が顕在化するなど、聴き取り結果を整理することから、現地学校環境が複雑な様相を呈し始めていることが知れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題では、コロナ禍の影響により、研究初年度(2019年度)に実施を計画していた現地での予備調査を、2023年3月に行わねばならないことになった。そもそも本研究は、研究代表者のかつての現地感覚を基本として計画していたものだが、この予備調査によって、現地の中等教育・高等教育の学校をめぐる環境の激変ぶりを思い知らされることとなった。とくに、影響が甚大だったのは、「落ちこぼれ防止法」のカリキュラムや教育実践に与えた影響とトランプによる教育のビジネス化である。米国の中等教育に関わる議論では、これら二つの連邦政府初の州教育への介入は無視することはできず、その文脈において本研究を整理する必要が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度では、2023年3月に訪問・聴き取りを行った3校に加え、Pittsburgh Public School District(PPSD)において国際バカロレアDPプログラムとアドバンスドプレイスメントテストを併用するハイスクールで聴き取りを行う予定である。その際には、前回訪問したWoodland Hills High School、そしてPPSDの二校のカリキュラムコーディネイター・教員のお話を伺う予定である。
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