心の病気(適応の困難や発達障害の二次的障害含む)のある児童生徒への自立活動の提案
Project/Area Number |
19K02966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09060:Special needs education-related
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Research Institution | National Institute of Special Needs Education |
Principal Investigator |
土屋 忠之 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, インクルーシブ教育システム推進センター, 主任研究員 (70804524)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 適応面や行動面の困難 / こころの病気 / 発達障害の二次障害 / 不登校 / 自立活動事例シート / 流れ図 / 特別支援学校(病弱) / Co-MaMe / 発達障害の二次的障害 / 病弱教育 / 精神疾患 / 特別支援教育 / 心の病気 |
Outline of Research at the Start |
心の病気は、特別支援学校(病弱)の児童生徒の病気として全国的に最も多く、小中学校、高等学校で発達障害の二次障害や不登校として課題となっている。国立特別支援教育総合研究所では2019年に児童生徒への新しい支援方法である「連続性のある多相的多階層支援(Co-MaMe)及びアセスメント表」(以下、Co-MaMe等)を提案した。ただCo-MaMe等は学習指導要領とのつながりが明確でなく、個別の指導計画や評価に反映しにくい点がある。そこでCo-MaMe等と自立活動とのつながりを示し、自立活動の指導の方向性を提案することで、特別支援学校、小中学校、高等学校等における心の病気の児童生徒への支援の充実を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
心の病気は、特別支援学校(病弱)の児童生徒の病気として全国的に最も多く、小中学校、高等学校で発達障害の二次障害や不登校として課題となっている。国立特別支援教育総合研究所では2019年に40項目からなる教育的ニーズからのなる児童生徒への新しい支援方法である「連続性のある多相的多階層支援(Co-MaMe)及びアセスメント表」(以下、Co-MaMe)を提案した。このCo-MaMeは学校現場等から研修会等で活用したいとの要望が多数あり、一定の評価を得ているが、学習指導要領とのつながりが明確にされておらず、児童生徒の個別の指導計画や評価に反映しにくい点がある。そこでCo-MaMeの教育的ニーズの項目が自立活動の区分・項目と類似している点に着目し、学習指導要領とのつながりを明らかにする。そのことから特別支援学校や小中学校、高等学校の教員にとって、Co-MaMeをさらに活用しやすくすることをこの研究の目的とした。 これまでに全国の特別支援学校(病弱)の教職員にて構成されている全国病弱虚弱教育研究連盟(以下、全病連)と協力することで、児童生徒に自立活動を指導する際にCo-MaMeとの繋がりが分かるような、事例の書式「自立活動事例シート」を提案した。その書式を作成する際には、自立活動の 「実態把握から具体的な指導内容を設定するまでの流れの例」(以下、流れ図)を参考にした。そして全国の特別支援学校(病弱)から、自立活動事例シートを使って指導事例を収集し、2冊の事例集をWebサイトに掲載した。また全病連の会員で指導事例を作成した教員を対象に事例の書式等についてアンケート調査を実施した。 今後、その収集した事例の内容やアンケート結果を分析することから、自立活動事例シートを検討する。特別支援学校や小中学校、高等学校にて自立活動の指導や個別の指導計画を作成、Co-MaMeを活用して教員間で支援する際に活用しやすいような書式を提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度には全病連心身症等研究委員会と連携して自立活動とCo-MaMeの繋がりを示す指導事例の書式を作成した。こころの病気のある児童生徒の指導を40事例、集めることができ、事例集をWebサイトに掲載した。 令和2年度は事例集に掲載した事例を分析することから自立活動とCo-MaMeの関係性を把握し、自立活動とCo-MaMeの繋がりについて日本LD学会にて発表を行った。また全病連心身症等研究委員会にて協議する中で、「流れ図」を参考にしながら、Co-MaMeと自立活動とさらに関連させた新たな書式「自立活動事例シート」を作成した。 令和3年度は自立活動事例シートを活用して指導事例を27事例集めることができ、2冊目の事例集をWebサイトに掲載した。自立活動とCo-MaMeの繋がりについて日本LD学会にて発表を行った。 令和4年度は「自立活動事例シート」に記入された内容を分析することから自立活動とCo-MaMeの関係性を把握し、自立活動とCo-MaMeの繋がりについて日本育療学会にて発表を行った。また自立活動事例シートの記入内容をもとに全病連心身症等研究委員会と連携してアンケート用紙を作成し、全病連の会員で指導事例を作成した教員を対象に事例の書式等についてアンケート調査を実施した。 また良い実践を行っている思われる静岡県立天龍特別支援学校や高知県立江ノ口特別支援学校等へ訪問して、実際の指導場面を観察し、事例集の書式やアンケート用紙の作成に役立てた。また心の病気、二次的障害、行動・適応障害、不登校、精神障害等に関する文献や講演会、研修会に参加することから、具体的な指導に関する情報を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に実施した自立活動事例シートに関するアンケート調査の結果を分析して、自立活動の指導や、個別の指導計画を作成する際、Co-MaMeを活用して教員間で支援する時に活用しやすいような書式をさらに検討する。その際には、コロナウイルス感染症拡大が落ち着いてきていることもあり、アンケート結果をもとに学校へ訪問して実際の指導場面を観察したり、教員に対面にて話を聞くことから、さらに詳細な情報を得ることや、全病連関係者や特別支援学校(病弱)の教員と対面にて協議をすることを考えている。 その取組と並行して全病連心身症等研究委員会と連携して自立活動事例シートもとに事例を収集し、3冊目の事例集を作成して、Webに掲載する。また年度末には、昨年度と同様に全病連の会員で指導事例を作成した教員を対象に書式等についてアンケート調査を実施し、結果を昨年度のものと比較を行うことから、書式についてさらに検討を進める。 これまでに収集した事例の内容から8月に日本特殊教育学会大会にて自主シンポジウムを実施する予定である。その中では、全病連心身症等研究委員会事務局から事例集の作成について、特別支援学校から実践事例について話題提供して頂く予定である。またアンケート結果については12月に行われる日本育療学会にて発表する予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(4 results)