Project/Area Number |
19K03015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
鈴木 大助 北陸大学, 経済経営学部, 教授 (30385538)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2019: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 情報セキュリティ / 事例学習 / 個人情報保護 / 公開鍵認証 / eKYC / インターネット投票 / フィッシング / 口座売買 / 情報通信ネットワーク / 能動的学習 / 経路調査実験 / ネットワークコマンド / スプリンターネット / 経路ハイジャック / 光海底ケーブル切断 / 情報セキュリティ教育 / ペネトレーションテスト / 倫理的ハッキング / オンライン授業 / オンライン試験 / コンピュータベース試験 / 減点方式 / 正誤判定問題 / 学習管理システム / PowerShell / Packet Tracer / Teams / CBT / 脆弱性評価 / サーバ構築 / パケットキャプチャ / クラウド / Amazon Web Services / 一般情報教育 / ネットワーク / セキュリティ / 能動的学修 / 効果測定 |
Outline of Research at the Start |
本研究は大学における一般情報教育のネットワーク・セキュリティ分野について、能動的学修を促す効果的な演習カリキュラムの開発を目的とする。ネットワークについてロールプレイ演習・パケットキャプチャ演習、セキュリティについてサイバー攻撃演習・ケーススタディ演習を開発し、効果測定を行う。 開発したカリキュラムが当該知識分野の理解と技能の習得に高い効果を示すことが明らかにできれば、一般情報教育の効果的な教授法の確立への貢献を通じて、日本国内で文理問わず広く実施される一般情報教育の発展に寄与すると期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は一般情報教育のネットワーク・セキュリティ分野について,能動的学習を促す効果的な演習カリキュラムを開発することである.本年度は以下の成果を公表した. 「データ利活用と個人情報保護に関する事例学習を取り入れた情報通信ネットワークの授業実践の試み」では,インターネットユーザの行動追跡に関する事例学習を開発し,実験授業を通じてその教育効果を検証した.当該学習がネットワーク技術に対する理解の必要性を感じさせる効果をもたらし,インターネットを通じて収集される個人データの利活用について自分事として考える契機になることが示唆された.さらに,当該事例学習をジグソー法によって行い,「データ利活用と個人情報保護に関するジグソー法を用いた事例学習」として発表した. 「公開鍵認証に関する事例学習を取り入れた情報セキュリティの授業実践の試み」では,実社会における公開鍵認証に関する事例学習を取り入れた授業設計と授業評価設計を行った.さらに,「情報セキュリティ教育における公開鍵認証に関する事例学習の実践と評価」では,当該事例学習を実験授業で実践し,その教育効果を検証した.社会事例を挙げて自分の意見を述べる観点で受講生の自己評価が向上した他,事前事後に実施した理解度確認テストにおいて,統計的有意な得点の向上が見られた. 「フィッシング対策教育における事例学習がセキュリティ意識の変化に及ぼす効果」では,フィッシングの組織的な犯罪に関する報道に基づくレポート課題を授業に取り入れて,その教育効果を検証した.到達目標に関する自己評価と事例学習に関する評価を行ったところ,設定した多様な観点で受講生の理解の自己評価が向上したほか,フィッシング攻撃に対する警戒感の高まりやセキュリティ意識の向上が伺える自由記述が確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響を受けたオンライン授業への変更等の対応に伴い,本研究課題も方向性を一部変更して実施している.オンライン授業でも能動的学習を可能とする演習カリキュラムを設計・実践し,検証・改善を重ねてきた. ネットワークの学習に関して,学生が密になるようなグループワークを避けるべきであった状況を経て,本計画のうちロールプレイ演習は実施を取り止めた.遠隔でも各自で取り組む事ができるパケットキャプチャ演習は専門教育では有効であるが,一般教育で効果を得るには相当の学習時間の確保が必要であり適さないと判断し,コマンドを用いた経路調査実験に移行した.さらに,初学者にも取り組みやすい演習として事例ベース学習教材を開発し,経路調査実験との間で教育効果の比較検討を行った. セキュリティの学習に関して,サイバー攻撃演習の教材を開発し,実験授業を通じて,専門教育においては高い教育効果が得られることを確認・報告済みである.一方で,サイバー攻撃演習は実践難易度が高く一般教育には適さない.そこで,一般教育でも実践容易な演習として,各種ケーススタディ演習を開発し,実践を通じてその効果検証を行い,報告を行った. コロナ禍の影響で研究方針を変更し,コロナ禍が一定の収束を迎えた後は,進捗の遅れを取り戻すべく,滞っていた報告を行ってきた.2023年度は,セキュリティに関する事例ベース学習教材の開発・実践を中心に行い,5件の論文発表・学会報告を実施することができた.しかし,全体としては進捗の遅れを完全に取り戻すには至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の所属する学部では,新型コロナウイルス感染拡大防止を契機に教育のDXが進み,情報系の一部科目について各種オンラインツールを活用した遠隔授業を実施している.本研究では,教室で行うロールプレイ演習については実施を取り止め,遠隔授業であっても能動的学習を促す効果的な演習カリキュラムの開発に移行している. ネットワークの学習法については,初学者が取り組みやすい演習としては経路調査実験と事例ベース学習を開発し,比較検討を行った.いずれの方法も情報通信ネットワークに対する興味と理解を促進する高い効果が確認されたが,事例ベース学習はより実践難易度が低く,より教育効果が高い可能性が示唆された. セキュリティの学習に関して,サイバー攻撃演習の教材を開発し,実験授業を通じて,専門教育においては高い教育効果が得られることを確認・報告済みである.一方で,サイバー攻撃演習は実践難易度が高く一般教育には適さない.そこで,一般教育でも実践容易な演習として,各種ケーススタディ演習を開発し,実践を通じてその効果検証を行い,報告を行った. 次年度は,ネットワーク・セキュリティ教育の現状と関連する研究を改めて調査し,これまでの本研究を総括した上で関連研究との関係を明確化し,将来の課題を提示するべく報告を行う.
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