刑事事件の情状鑑定における多職種協働チームの将来的展望
Project/Area Number |
19K03350
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Bunkyo University (2022) Komazawa Women's University (2019-2021) |
Principal Investigator |
須藤 明 文教大学, 人間科学部, 教授 (20584238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸井 宏紀 東洋大学, ライフデザイン学部, 助教 (00780397)
岡本 吉生 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20315716)
丸山 泰弘 立正大学, 法学部, 教授 (60586189)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 多職種協働 / 情状鑑定 / 更生支援計画 / アセスメント / 証人尋問 / Interdiscplinary Team / 情状証人 / 養成訓練 / 多職種連携 / 科学的エビデンス / 治療的法学 / 多職種協働チーム |
Outline of Research at the Start |
昨今の刑事司法においては,知的障害者や高齢者の犯罪を中心として,応報刑だけによらない福祉的支援が模索されている。また,裁判員裁判制度の導入後,重大事件を中心として,犯罪に至った背景要因について心理学的な分析を求める情状鑑定が増加傾向にある。一方で,それら専門家の関与は,情状鑑定は心理専門職,更生支援計画は福祉専門職といった形でそれぞれ別個に行われており,多様な心理的・社会的問題を抱える犯罪に至った人に対して,十分な貢献ができているとは言いがたい。 そこで,本研究では,犯罪に至った人に対する入口支援として,弁護士,心理専門職,福祉専門職等による多職種協働チームの可能性を探るものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
年間5回の研究会を実施し、そのうち対面実施は1回であった。具体的には、情状鑑定書と更生支援計画書に関する分析を行ったほか、藤原正範氏(日本福祉大学研究フェロー)を講師として招聘し、刑事裁判の入口支援における心理専門職と福祉専門職の連携の可能性と課題について講演していただいた。その後の議論を通じて、以下の点が明らかになった。 情状鑑定と更生支援計画のアセスメントに関しては、当然ながらその目的と専門性に違いがある。情状鑑定では被告人の心理・社会的側面に関して精緻な分析が行われ、刑事裁判の量刑概念である「犯情」と「一般情状」の双方に影響を及ぼし得る。一方、更生支援計画ではアセスメントは行うものの、社会復帰後の支援に重点を置くために一般情状事実を把握するにとどまってしまう傾向がある。そのため、心理専門職と福祉専門職が互いに補完し合う体制やシステム作りが求められる。また、今後は、一部の弁護士会で試行している「寄り添い弁護士制度」のような出口支援でも、心理・社会面で課題を抱えている場合には、人間行動科学の専門家による関与を考えていく必要がある。ただし、こうした多職種協働チームを作るに当たって、アメリカのような公的弁護士事務所の制度を持たない日本においては、経済的・人的な基盤をどのように確立していくのか、多くの課題が残っている。 鑑定事例に関しては、研究員が2件の情状鑑定を行った。1件は、少年による放火殺人事件、もう1件は、成人男性による妻殺害事件である。公判は開始されていないが、前者の事例においては、社会復帰後の支援体制をどのように構築するのかといった課題があり、この点は、今後のアクションリサーチの中で検討していくことになる。 なお、海外の学会で研究成果の発表および本研究テーマに関する意見交換をと考えていたが、コロナの感染状況や所属大学の出張基準等に鑑みて本年度は見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鑑定事例の集積がやや不十分であったこと、学会発表等を通じて本研究テーマに関するする海外の実情調査を行う予定だったが、コロナの影響もあって実施できなかった点は、想定していた進捗よりも遅れている。ただし、必要な心理専門職と福祉専門職との協働・連携に関する課題や今後の展望は、かなり明確になってきたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
情状鑑定で心理専門職がかかわった事例、更生支援計画で福祉専門職がかかわった事例の分析をさらに進める。また、国際学会参加を通じて多職種協働に関する海外の実情調査も行う。具体的には、9月6日から9月9日に開催されるヨーロッパ犯罪学会(イタリア・フィレンツェ)、世界ソーシャルワークアジア会議(フィリピン・セブ島)への出席を予定している。
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Report
(4 results)
Research Products
(64 results)