Applications of the theory of group schemes, especially on Lucas sequences and on the normal basis problem
Project/Area Number |
19K03408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11010:Algebra-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
諏訪 紀幸 中央大学, 理工学部, 科学研究費助成事業研究者 (10196925)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 群スキーム / Lucas数列 / Lucas数列のrank / Lucas数列のperiod / Laxton群 / p進指数函数 / p進対数函数 / group scheme / Lucas sequence / Galois extension / normal basis / Hopf algebra |
Outline of Research at the Start |
本研究は群スキームの理論のLucas数列への応用や可換環のHopf-Galois拡大に対する正規底問題への応用を目指している.これはささやかであったとしても,現代数学の思潮の一つの具現化であろう. 例えば,Lucas数列に関する研究は,Fibonacci数列周辺の研究に特化した学術誌Fobanacci Quaterlyが刊行されているくらいに,研究の裾野が広い.しかし,見掛けのはいりやすさが災いしてか,本質的な事象が見逃されて来たようであるし,重要な研究が見過ごされて来たようである.これまでなされて来た研究を群スキームを用いて捉え直し,さらに新機軸を打ち出すべく,研究を進める.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究「群スキーム理論の応用、特に正規底問題とLucas数列の数論について」は令和元年度から基盤研究(C)で援助をいただいている。一昨年度は副題にある二項目の問題のうち、Lucas数列の数論について目覚ましい成果を得、もっぱらそちらの研究に専念していた。この主題では最初の論稿である「Geometric aspects of Lucas sequences I」「Geometric aspects of Lucas sequences II」がTokyo Journal of Mathematics 43に掲載された。さらに、昨年度はその続編である「Geometric aspects of Lucas sequences、a survey」が京都大学数理解析研究所講究録別冊B86に掲載された。
この一連の論文は、19世紀後半のEdouard Lucasの研究に始まる一世紀半にわたるLucas数列の研究の歴史の中で、群スキームや射影空間を議論の軸に据えた初めての研究である。Lucas数列に関する研究の長い歴史の中で、射影直線 P1 さらには射影空間 Pn という言葉が現れる最初の論文であろう。Lucas数列は見掛けは初等的な内容であり、Fibonacci Quarterly に寄せられる多くの論考に見られるように数学愛好家も取り組める事項である。そこに新たに幾何学の視点を提示したことの意義は大きいと考える。
例えば、Laxton は2階の場合に Laxton 群を定義したが、その後、半世紀にわたって進展はなかった。それが幾何学な視点から Laxton 群について再考することによって、一般階数の場合にも Laxton 群は群 scheme の有理点のなす群の剰余群として定式化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Lucas数列に関する研究は、Edouard Lucas以来150年以上の歴史があるが、初等整数論の範囲で、あるいは精々、代数的整数論の基本事項で片付く事柄が殆どであった。例えば、Ballot「Density of prime divisors of linear reccurrences」Memoir of A。 M。 S。 115 (1995)やAoki-Kida「On the Laxton group」Res。 Number Theory 5 (2019)も、Binetの公式の呪縛、あるいは、二次体の整数論の呪縛から逃れていない。非常に窮屈な議論をしている。
高階のLucas数列に関する研究の展望は「Geometric aspects of Lucas sequences、 a survey」で公表しているが、それに多くの結果を付け加えているところである。就中、代数幾何学では常識である退化の概念が、「Lucas数列の族」に対しても適用できることを詳述したい。
また、小編ではあるが、Lucas 数列の母函数が整数値を取る有理数について「Integer values of generating functions for Lucas sequences」をまとめ、中央大学学術リポジトリに公表したが、学術誌に投稿の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
なすべきことは多いが、「Geometric aspects of Lucas sequences、 a survey」は概説であり、今後の研究の方針を示したに止まっている。斎藤暢君の2019年度修士論文「幾何的視点から観たLucas数列~3階の場合」では多くの計算例が示され、その例が多くのことを示唆している。また、2階の場合、G(f) の P1 への同変な埋め込みが存在するが、n階の場合、 G(f) の Pn-1 への同変な埋め込みを構成できる。2階の場合、差集合は高々基数2の有限集合であったが、n階の場合は、差集合は Pn-1 の余次元1のZarisiki閉集合である。nが増大するにつれ、その差集合の振る舞いは複雑となる。そこをどう記述するか、興味深い問題に遭遇している。
また、水落優斗君の2021年度修士論文「Lucas 数列の可除性について~Carmichael の論文に遡る」では、一世紀前にR. D. Carmichael が On the numerical factors of the arithmetic forms ... Ann. of Math. 15 (1913)で研究した2階Lucas数列のcharacteristic factorの概念を、幾分条件を緩めたprimitive factorの概念で置き換えて、「Geometric aspects of Lucas sequences I」「Geometric aspects of Lucas sequences II」の成果を取り入れてCarmichaelの議論を一般化した。これも諏訪の一連の仕事と併せて論文としてまとめたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)
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[Book] 有限体と代数曲線2021
Author(s)
諏訪紀幸
Total Pages
233
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254117561
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