Project/Area Number |
19K03525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
柳 研二郎 城西大学, 理学部, 職員 (90108267)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 不確定性関係 / トレース不等式 / 正線型写像 / 作用素不等式 / 平均不等式 / 正線型作用写像 / 不等式 |
Outline of Research at the Start |
不確定性関係に関連する不等式の全般にわたり,その拡張や一般化を行う.それに伴い数学や物理の各分野に画期的な影響を与えるような結果を導き,従来の理論体型をより深く確立することを目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
この科学研究費においては2つの目的があった.1つは従来の不確定性関係を表す不等式はHeisenbergの不確定性関係やSchrodingerの不確定性関係などのように積型のものがほとんどであるが、これを和型のものや積型のものとは異なったものとして表せないかという基本的な疑問に基づいた問題提起である.もともと積型で表現される理由は証明でSchwarzの不等式を用いるためであるので、Schwarzの不等式を用いずにある種の不確定性関係を表す不等式が導けないであろうかということである.1つのヒントはノルムの満たす精密な不等式を導くという方法がある.この場合は三角不等式が有名であるが、この不等式はもっと精密化できると考えられている.それに関連した結果も多く得られているので、それらを参考にして新しいノルム不等式を取得したい.2つ目は従来の不確定性関係を表す不等式は概してトレース不等式であるが、これをトレース型正線型写像に拡張すればどのような形の不等式であろうかという問題提起である.不等式の形は成分が作用素不等式であるようなある種の行列不等式に相当する.したがって非トレース型正線型写像の場合はもっと予測不可能になり、困難になる.この2つの問題提起について限定的ではあるがある結果とその関係した結果が得られている.さらにエルミート・アダマール不等式の精密化を試み、その応用としてトレース不等式や作用素不等式が得られることにより従来の不等式の拡張や精密化が重要であることが確認された.またTsallisエントロピーの上界と下界の厳密な精密化も合わせて得られた.そして各種の平均についての不等式の複数個への拡張による関係式、複数個の対数平均の新しい定義と従来の定義との比較等、興味ある不等式が得られている。これらの新しい不等式を不確定性関係に応用することで重要な関係式が得られる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
不等式の中でもエルミート・アダマール不等式は有用な不等式として知られており、多くの不等式の専門家によって様々な形の拡張や精密化などが得られている。そのような背景の下で不確定性関係のさらなる拡張をめざしたテーマを深く研究対象にしているので、当初の目的とは多少異なったものになった.しかし不等式というくくりでみればこれも1つの正当化されたテーマと考えられる。したがってこの方面にシフトを移して研究を行ったために、計画より発展した結果を導くこととなった.
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Strategy for Future Research Activity |
従来のエルミート・アダマール不等式のさらなる拡張や精密化をあらゆる方面に応用することで、今までとは違った形の新しい不等式や作用素不等式が得られる可能性があることの確証がある.例えば多変数の重み付き対数平均の定義やその作用素平均への応用などが考えられる.この方向で研究を進めたい.
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