Project/Area Number |
19K03559
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
田沼 一実 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (60217156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 非等方弾性体 / 圧電体方程式 / 表面波 / Bleustein-Gulyaev波 / Rayleigh波 / transversely isotropic / shear horizontal / 逆問題 / 圧電体 / 摂動 / 横等方 / polarization / 分散 / perturbation / Barnett-Lothe tensors / Stroh formalism / 摂動公式 / 弾性波動 / 位相速度 / 応用解析 |
Outline of Research at the Start |
固体中を伝播する波は,その固体の性質を反映する.固体が弾性体の場合,弾性波の観測により弾性体の非等方性と非斉次性(不均一性)を決定する問題は,材料科学,地球物理,非破壊検査の分野で重要なテーマとなる.固体の性質に関する情報は一般に,そこでの波動現象に複雑に入り込む.しかしながら伝播速度,励起された変位場等の波動現象の一部を観測することで固体の情報をうまく抽出できないか?を根本的問いとして,本研究では非等方弾性体と圧電体を対象に,波動方程式の数学解析により固体パラメターの波動解への寄与の構造を明確にする順問題と,波動解により裏付けられた観測データから固体パラメターを再構成する逆問題とを考察する.
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Outline of Annual Research Achievements |
1. 圧電体方程式は,圧電体の力学的運動状態と電気的平衡状態を記述し,弾性的応力と電気変位,力学的歪みと電気ポテンシャルの相互関係により,力学的変位と電気ポテンシャルを未知関数とする,弾性・圧電・誘電の3つのテンソルを係数にもつ連立微分方程式となる.弾性場と電場の相互作用は圧電テンソルによって生じるが,等方物質では圧電テンソルが消えるため,非等方性が圧電性の本質と言え,非等方性に対する本研究のこれまでの数学解析が有効となる.横等方(transversely isotropic)圧電体を伝播する表面波の1つ,Bleustein-Gulyaev(BG)波は,境界変位が伝播方向にも境界法線方向にも垂直な,水平横波(shear horizontal)成分のみからなるという特徴をもつ.そこで,横等方圧電体の各テンソルが完全非等方に摂動した場合に,BG波の境界変位は水平横波状態からどのように摂動するかを考察し,水平横波成分からの一次摂動に影響を与える弾性・圧電・誘電のテンソルの成分を,かなり具体的に絞り込むことができた.以上を国際会議International Congress on Industrial and Applied Mathematics(ICIAM 2023)にて報告した. 2. 直交異方性を有する斉次弾性体の弾性テンソルが完全非等方に摂動した場合に,境界におけるRayleigh波のpolarization ratio(境界振幅の伝播方向成分と境界法線方向成分との比)の摂動公式を,論文集「Mathematical Methods and Models in Composites, 2nd edition (World Scientific)」に発表した.論文では,Stroh formalism による非等方弾性体方程式の数学解析も,基礎から丁寧に解き明かしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.弾性テンソルが直交異方の状態から完全に非等方に摂動した場合に,Rayleigh波の境界におけるpolarization ratioの摂動公式を,論文集「Mathematical Methods and Models in Composites, 2nd edition (World Scientific)」にてようやく出版することができた. 2. Bleustein-Gulyaev(BG)波によって励起される境界変位に対して,その水平横波成分からの一次摂動に関する研究成果の一部を,国際会議International Congress on Industrial and Applied Mathematics (ICIAM 2023) にて報告することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
Bleustein-Gulyaev(BG)波による境界変位場において,その水平横波成分からの一次摂動に,弾性テンソル,圧電テンソル,誘電テンソルの摂動部分がどのように寄与するかを定式化する(順問題).表面波であるBG波の観測により,未知の圧電体の各テンソル,またはその摂動を決定する逆問題の数学解析へ橋渡しを行う.
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