軌道の存在確率密度をもつ力学系の大域挙動に関する研究
Project/Area Number |
19K03585
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鷲見 直哉 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (50301411)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 解析学 / 力学系 / エルゴード理論 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,互いに異なる周期軌道の組に対して,一方の軌道の近くから他方の軌道の近くに移動する別の軌道がある,という局所的な条件から,次の大域的な力学系の性質(a)と(b)を導く:(a)すべての軌道の存在確率密度が決まるならば,この存在確率密度は一意的に決まる.(b)有限時間での軌道の存在確率密度と,無限に時間が経過した軌道の存在確率密度との差は,エントロピーとポテンシャルという2つの値を用いて具体的に表示できる. 更に,次の結果(c)を導く:(c)稠密な軌道をもつ可微分力学系が,摂動を加えてもその性質を失わないならば,性質(a)と(b)を満たす.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,軌道同士の振舞いに関するある局所的な条件から,軌道の存在確率密度に関する次の大域的な性質(1)と(2)を導くことである:(1)すべての軌道の存在確率密度が決まるならば,この存在確率密度が一意的に決まる.(2)有限時間での軌道の存在確率密度と,無限に時間が経過した軌道の存在確率密度との差は,エントロピーとポテンシャルという2つの値を用いて具体的に表示できる.特に本研究では,互いに異なる軌道の組に対して,一方の軌道の近くから他方の軌道の近くに移動する別の軌道がある,という局所的条件(*)のみから上の性質(1)と(2)を導くことを目的とする. 今年度は,Maneによって構成されたderived from Anosov 微分同相写像(DA写像)が局所的条件(*)を満たすことを証明した.これまで付加的な条件を満たすDA写像に対して条件(*)を示していたが,この付加的な条件を落とすことができた.DA写像は,トーラス上の双曲型同型写像に対して,原点(不動点)の近傍で小さな伸び率をもつ方向に摂動を加えて,原点の安定多様体の次元を1次元大きくした写像である.この時,原点の近傍に新たな不動点が2つ発生するが,この内の1つの不動点pの周りにblenderと呼ばれる構造を構成する.pの強安定多様体がトーラスの中で稠密になることが知られているため,林のconnecting lemmaを用いて,原点の強不安定多様体と交点をもつように摂動し,Bonatti-Diazによる方法でblenderを構成する.このblenderによって安定多様体の次元が大きい周期点同士が安定多様体と不安定多様体の交差を持つことが示される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究では,性質(1)の証明を目指したが,目標を達成できなかったため.
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要で述べた局所的条件から,大域的性質(1)と(2)を導くことを次年度の目標とする.(1)については,全ての周期点の組みに対して、その安定集合と不安定集合が位相的横断的な交点をもつ力学系に対して,存在確率密度の一意性を示す.(2)については,強横断性を満たす公理A力学系に対して,有限時間での軌道の存在確率密度と,無限に時間が経過した軌道の存在確率密度との差を評価する.
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Report
(5 results)
Research Products
(3 results)