Project/Area Number |
19K03638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田上 大助 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (40315122)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 一般化粒子法 / 特性曲線法 / Navier--Stokes方程式 / 誤差評価 / 安定性 / 適切性 / 流れ問題 |
Outline of Research at the Start |
粒子法は偏微分方程式に対する数値計算手法の一つであり, その特徴から近年, 津波のような移動境界問題に適用されている. しかし差分法や有限要素法などの数値計算手法と比較すると, 粒子法に対する数学的基盤は十分に整備されていない. 研究代表者は, 固定領域上における移流拡散方程式に対する特性曲線一般化粒子法を提案し, その誤差評価を得ている. 本研究課題ではこの成果を活用し, 偏微分方程式に対する粒子法の数学的基盤の整備における次の段階として, 固定領域上における非圧縮粘性流れ問題に対する粒子法の数学的基盤の整備, および提案する手法に基づくプログラム開発・計算機実装・精度検証を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では, 流れ問題に対する粒子法の数値計算でしばしば用いられる微圧縮Navier--Stokes方程式を導入し, 特性曲線一般化粒子法の適用を試みている. 微圧縮Navier--Stokes方程式のある極限が非圧縮Navier--Stokes方程式となることがKreiss--Lorenz--Naughton (1991) で示されているため, 得られる成果が実際に広く用いられている粒子法に対応する数学的基盤となることが期待できる. 昨年度までに, 本研究課題の目的の1つである "非圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の導入と誤差評価" に取り組み導入した特性曲線一般化粒子法を非圧縮Navier--Stokes方程式に対する創成解問題へ適用する数値実験を行い, また本研究課題の目的の1つである "導入した特性曲線一般化粒子法のより物理的に自然な実問題への適用" を目指したプログラム作成や試験的な数値実験などを行ってきた. これらの数値実験により, 導入した特性曲線一般化粒子法の基本的な安定性や適切性, 実問題への適用可能性を数値的に確認できた. そこで今年度は, 昨年度までに得ていた, "導入した特性曲線一般化粒子法の誤差評価" で用いるために研究代表者が従来行ってきた非圧縮Navier--Stokes方程式に対する有限要素法や移流拡散方程式に対する特性曲線一般化粒子法の誤差評価で得た知見を改良し, 微圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の誤差評価に必要な予備的な結果を発展させて, 本研究課題の最終的な目的である "導入した特性曲線一般化粒子法の誤差評価" に対応した成果を得る見通しが立ち, その論文化に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
"研究実績の概要" 欄でも述べた通り, 本研究課題では, 最終的な目標である非圧縮Navier--Stokes方程式をある意味で近似する微圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法を導入している. 既に導入した特性曲線一般化粒子法を非圧縮Navier--Stokes方程式に対する創成解問題へ適用する数値実験を実施し, 基本的な安定性や適切性を既に数値的に確認している. この成果を踏まえ, より物理的に自然な実問題へ導入した特性曲線一般化粒子法を適用し, その有効性なども数値実験で既に確認している. さらに非圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の誤差評価に必要となる, 研究代表者が従来行ってきた非圧縮Navier--Stokes方程式に対する有限要素法や移流拡散方程式に対する特性曲線一般化粒子法の誤差評価で得られている知見の改良や新たな数学解析の道具などの準備も進めている. これらの結果, 本研究課題の最終的な目的である "導入した特性曲線一般化粒子法の誤差評価" に対応した成果を得る見通しが立っている. さらにこれらの成果を, 粒子法の主たる研究者組織の1つとして国際的にも認知されているSHERICが関係する国際的な学術雑誌へ投稿する準備を進めている. これにより, 得られた成果が一定の国際的な水準に達していることを, 第三者による評価によって示されるよう準備を進めている. 以上のことから, 本研究課題はおおむね順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は, "非圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の導入と誤差評価", "数学的基盤が整備された特性曲線一般化粒子法の計算機実装と誤差評価の再現実験", および "非圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の実問題への応用" の3項目を明らかにすることを, 計画段階において目的とした. "現在までの進捗状況" 欄でも触れた通り, 目的とした3項目のうち "数学的基盤が整備された特性曲線一般化粒子法の計算機実装と誤差評価の再現実験" について, 数学的基盤の整備を後回しとしたものの, 微圧縮Navier--Stokes方程式に対して提案した特性曲線一般化粒子法の安定性や適切性について創成解を用いた数値実験により一定の成果を上げた. また, また提案した特性曲線一般化粒子法をより物理的に自然な実問題へ適用し, その有効性も数値実験的に調査した. そこで今後は, 微圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法について, 研究代表者がこれまでに得ている数値解析の知見や本研究課題の期間中に得た成果などを利用した数学的基盤の整備を引き続き行う. さらに, 微圧縮Navier--Stokes方程式と非圧縮Navier--Stokes方程式との関連性や, この段階までに得られると予想される様々な数値解析に関する知見を利用して, 非圧縮Navier--Stokes方程式に対する特性曲線一般化粒子法の数値解析を進める. またこれらの成果を基に, 粒子法に対する誤差評価を重要課題として取り上げ関心を持ち当該分野において世界的に広く認知された国際会議にて成果発表を行い, 研究代表者が得た成果の国際的な周知を図ると共に, 国際的な学術雑誌への投稿を行い, 第三者からの適切な評価と成果の改良を行う.
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