半導体薄膜による量子もつれ光子対生成:最適な膜厚の探索と共振器効果の理論的研究
Project/Area Number |
19K03705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13020:Semiconductors, optical properties of condensed matter and atomic physics-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
安食 博志 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60283735)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 量子もつれ光子対 / 共振器 / 励起子 / 薄膜 / 表面ポラリトン / 励起子分子 / ドレスト状態 |
Outline of Research at the Start |
量子もつれ光子対は量子情報処理技術で重要な役割を果たす.本研究は,半導体薄膜による量子もつれ光子対の生成効率を最大にするための膜厚を明らかにし,さらに,光と物質の相互作用を著しく増強させる共振器を用いることによって,もつれ光子対の生成効率がどの程度高くなるかを調べる.また,独自に開発した励起子-光結合状態の理論により,これまで知られていなかった「共振器表面ポラリトン」の新規概念を確立し,光子対生成効率の共振器効果を定量的に明らかにする.
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Outline of Annual Research Achievements |
光子を用いた量子計算・量子情報技術において,量子もつれ光子対を高効率に生成することは非常に重要である.本研究では半導体薄膜を共振器に埋め込んだ系において,励起子分子の輻射崩壊により発生する量子もつれ光子対を高効率に生成する条件を調べた.励起子分子はもつれ光子対へと遷移するだけではなく,表面励起子ポラリトンにも遷移する.表面ポラリトンは局在状態であるため,量子もつれ状態として利用することは難しい.つまり,励起子分子から表面ポラリトンへの遷移は可能な限り小さいことが望ましい.そこで,共振器中の半導体薄膜における表面励起子ポラリトン(共振器表面ポラリトン)の分散関係と状態を理論的に解析した. まず,この分散関係が満たすべき非線形方程式を導出し,最終年度に具体的な分散関係を得ることができた.励起子分子から表面ポラリトンへの遷移確率は,表面ポラリトンの状態が励起子と光子を同程度に含む重ね合わせ状態であるときに最も大きくなる.共振器表面ポラリトンの重ね合わせ状態の範囲は著しく狭くなるため,励起子分子の生成効率が高くなることが予想される.また,同じ系で励起子分子から量子もつれ光子対の生成効率に関する研究を行なった.共振器中の光子と励起子は強く相互作用するため,ドレスト状態が形成される.励起子分子は2個の励起子の束縛状態なので励起子分子の輻射崩壊により2量子のドレスト状態(2励起ドレスト状態)へ遷移する.最終年度では,励起子分子から2励起ドレスト状態への遷移確率を,2励起ドレスト状態の相対波数や重心波数,半導体薄膜の膜厚の関数として調べ,量子もつれ光子対の種となる2励起ドレスト状態への遷移確率が高くなる条件点が明らかになった.
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Report
(5 results)
Research Products
(4 results)