Project/Area Number |
19K03975
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
西 憲敬 福岡大学, 理学部, 教授 (00222183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 篤 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 准教授 (30550008)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 熱帯 / 巻雲 / 対流 / 積雲クラスター / 熱帯気象 / 雲 / 気象力学 |
Outline of Research at the Start |
赤道付近の対流圏で雲活動が活発な熱帯収束帯とよばれる領域で、東西数千kmにわたって多くの積乱雲を含む発達した雲帯が、ほぼ同時に東西に平行な2-3本の巻雲を中心とする雲帯へと急激に変形していく現象の機構の解明を目的とした研究を行う。そもそもどうして東西に長い雲帯のができるのか、何が原因でこのような広域で同時分割が起きるのか。分割後の雲帯で巻雲が長時間維持されるのはなぜか、について主に観測データと数値モデル出力を用いて研究を行う。ダイナミックな雲帯分割現象を解明し、放射過程を通じて気候に重要な役割を果たす熱帯巻雲の形成維持機構の解明に貢献することが期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
中西部太平洋域の熱帯収束帯(ITCZ)において、東西数千kmにおよぶ雲帯がほぼ同時に南北に分割する現象を見いだしてその解析を行ってきた。昨年度につづき、全球雲解像モデルNICAMを用いて、太平洋中西部の熱帯収束帯の中に発生する東西数千kmにおよぶ雲帯の南北への分割現象の再現実験を行った。昨年度は3例中3例の再現に成功したが、本年度は1993年発生の顕著な現象を含めさらに6例の実験を行ったものの、1例を除いて再現することができなかった。2022年の事例についてはやや現象が小規模、非典型であったが、2017年以前の現象は典型的なものであった。それらが昨年度の実験のように再現できなかった理由は定かでないが、ERA5の初期値が最近のものに比べて低品質である可能性を考えている。これに並行して、実データの解析も継続した。2020年12月の事例についての詳細解析を行った。雲帯が2-3本に分割していく過程が最も興味をもたれるところであるので、この過程について再解析ERA5データを詳細に解析した。対流圏上部の雲氷量で示される分割雲帯は、北向きに6°/day (7m/s)で移動した。雲氷量はこの時期の後半にはむしろ増大しており、雲が成長していることを示す。この北進する雲帯の中には、はっきりした上昇流がみとめられ、この上昇流によって雲が発達していることがわかる。したがって、この雲帯は単に移流されているだけでなく、形成機構をもちながら北進しているとみられる。雲帯周辺ではその移動速度とほぼ同程度の南風が観測されるが、その分布は特徴的であり、雲帯の中心よりもさらに北側に最大風速をもつ。この最大風速位置も雲帯とほぼ等速で北進しているようにみえる。このような特徴的な構造は他のいくつかの事例で共通にみられることがわかったので、分割機構解明への今後の解析の指針を与えているとみられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは研究環境がうまく整備できない外的状況があったため進捗に問題があったが、本年度は研究分担者や研究協力者とのコミュニケーションもうまくいき、全体的に予定通りの進捗をみることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は、データ解析と数値実験の両方にわたり最終段階を迎える。すでに得られているデータ解析の所見をもとに数値モデルの感度実験を多数行い、現象の機構についてひとつでも多くの説明を行えるようにする。昨年度は再現実験の多くが不成功になったため、本年度は様々な工夫を行い、再現できる事例を増やすことが研究遂行のポイントになると考えている。
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Report
(4 results)
Research Products
(9 results)