授乳を中心とした乳児期の子育てを支援する環境構築に関する研究
Project/Area Number |
19K04778
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
仲 綾子 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70747609)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 博子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (00601014)
谷口 新 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 教授 (40445185)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 妊娠 / 出産 / 授乳 / 建築計画指針 / 子育て世代包括支援センター / 母子保健 / 子育て支援 / おむつ替え / 乳児 / 医療施設 / 職場環境 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、乳児期の子育て支援が喫緊の課題となっていることを背景として、授乳を中心に乳児期の子育てを支援する環境の条件を明らかにすることを目的とするものである。具体的には、子育ての段階に合わせて、①子育ての出発点としての医療施設における授乳環境、②地域における乳児支援環境、③職場における子育て支援環境の3つのフェーズを設定したうえで、これらを接続し、さらに、④国際比較研究を補足的かつ継続的に実施する。 これまでに研究代表者が蓄積してきた授乳環境の建築計画に関する一連の研究に加え、母親と乳児の脳研究に関する育児工学からの知見を得て、授乳を中心に乳児期の子育てを支援する環境構築へと展開するものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、妊娠出産期から子育て期に渡る切れ目のない支援の構築を建築計画の視点から検討することを目的とするものである。具体的には、子育て世代包括支援センターに着目し、その建築計画指針を提示する。国は、今後、子育て世代包括支援センターと子ども家庭総合支援拠点の組織を見直し、一体的に相談支援を行う機能を有する機関として、こども家庭センターの設置に努める方針を示している。こうした中、子育て世代包括支援センターの実態と課題を明らかにすることは喫緊の課題といえる。 本研究では、2021年に全国1,288市区町村の子育て世代包括支援センター2, 052施設を対象としたアンケート調査を実施した。回収数は、郵送492件とウェブ119件、計611件、回収率は29.8%である。 上記の全国アンケート調査に基づき、まず、子育て世代包括支援センターの整備実態と施設計画に対する要望を分析した論文を建築学会に投稿し、採用され、掲載された【査読論文1】。研究概要は、施設整備の方法は、大半が既存施設の利用で、レイアウト変更と改修・増築が各々16%程度、新築は3%と非常に少ない。施設整備の実態は、相談室の設置率が極めて高く、9割を超える。授乳室は約6割、プレイルームは約4割である。広さ感評価分析に基づく広さの目安は、専用相談室は約8畳、授乳室は約5畳、プレイルームは約47畳である。 次に、本研究は子育て世代包括支援センターの利用、運営、施設整備の実態を把握したうえで実施場所別の特徴を分析した論文を建築学会に投稿し、採用された【査読論文2】。結果、利用者の属性は妊婦のみが利用する事例から妊婦がまったく利用しない事例まで多様である。スタッフの職種は保健師が半数近くを占め、助産師は5%にとどまる。利用人数に影響を与える要因は、保育士の人数、室の広さの合計、スタッフ人数、新築が上位に位置づけられる等を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度である2019年度に、乳幼児期の子育て支援の中心的な役割を果たす授乳環境に関する研究をとりまとめた。2020年度は、妊娠出産期から子育て期にわたる切れ目のない支援を実現する場となる子育て世代包括支援センターの建築計画研究に着手した。子育て世代包括支援センターにおいて授乳に関する相談や講座は多く、授乳環境は重要な位置づけであることを確認した。2021年度は、子育て世代包括支援センターの実施状況等に関する厚生労働省の公開データ等にもとづき分析し、成果として査読付き論文3本、学会発表1本を提出した。さらに、コロナウイルス感染拡大が収まりつつあったので、全国の子育て世代包括支援センターを対象とした大規模なアンケート調査を実施した。データ入力作業、単純集計作業を完了しその結果、の報告書(概要版)を調査に協力いただいた市区町村に送付した。 上記のような研究の積み重ねのうえで、今年度(2022年度)は、全国アンケート調査結果に基づき、本格的な分析を行った。データ量が多く、研究結果が膨大であったため、3本に分ける構想とした。1本目は主に施設整備に関する分析結果、2本目は運営実態と利用実態に関する分析結果、そして3本目は特別な支援、関係機関との連携、地域への周知等に関する実態把握である。1本目と2本目は建築学会の査読付き論文に採用され、3本目を現在分析しているところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2023年度には、これまでに蓄積した研究成果を総合し、子育て世代包括支援センターの計画指針を策定することを目指す。2023年度の研究の具体的な推進方策を以下に記す。 ①子育て世代包括医療センター全国アンケート調査に基づく数量解析(2023年4~7月):アンケート調査で回答を得られた全国611の子育て世代包括支援センターの1)特別な支援や連携、2)関係機関との連携、3)地域への周知、その他の項目について、基本指標となる「実施場所」をもとに、クロス集計や独立性の検定を行い、関連性を分析する。 ②全国アンケート調査の自由回答記述のテキストマイニング分析(2023年8~10月):アンケート調査に回答された自由記述をKJ法やKHコーダ等のテキストマイニングの手法を用いて、構造や関連性を明らかにする。 ③論文執筆、投稿(2023年10~12月):上記の①と②を総合し、建築学会に投稿する予定である。一部分、特別な支援や連携等のソフトに関わる内容は、保健師ジャーナル等へ投稿する予定である。
|
Report
(4 results)
Research Products
(12 results)