地方祭礼における空間・社会的基盤の実態と変容―高知県・絵金芝居絵屏風を対象に―
Project/Area Number |
19K04803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23030:Architectural planning and city planning-related
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
北山 めぐみ 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (40734257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永原 順子 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (30455224)
増井 正哉 京都大学, 人間・環境学研究科, 名誉教授 (40190350)
本塚 智貴 明石工業高等専門学校, 建築学科, 講師 (40751152)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 絵金 / 神社祭礼 / 夏祭り / 都市と農村 / 芝居絵 / 運営組織 / 変遷 / 展示形態 / 祭礼 / 歌舞伎 / 高知 / 絵馬台 / 町家 / 芝居絵屏風 / 空間利用 / 赤岡 |
Outline of Research at the Start |
高知県内には、幕末に狩野派絵師・弘瀬金蔵(通称・絵金)によって描かれた「芝居絵屏風」が100枚以上現存し、それを用いた祭礼が夏の風物詩となっている。当該祭礼は、かつて県内24箇所で行われていたことが明らかとなっているが、現在は10箇所にまで減少している。本研究では地方祭礼の一例として、この芝居絵屏風を用いた祭礼を取り上げ、祭礼時における空間・社会的基盤の実態とその変容を明らかにし、農村・都市地域における祭礼の維持・継承のあり方について考察することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、長引くコロナ禍により今年度も祭りを縮小する地域が多い中で、withコロナを模索し芝居絵展示を行う地域も確認できた。しかし、絵馬台の運搬や組み立てを行うための人材不足により展示を断念、あるいは展示方法を簡素化した地域があり、コロナ禍のみならず担い手不足が祭事の縮小に影響を与えている状況が確認された。今年度の概略を以下にまとめる。 ①芝居絵屏風が飾られる神社の氏子地域の範囲、並びにその区域の土地利用の把握を行った。これにより氏子地域における芝居絵展示の空間的意味合いを考察するとともに、社会基盤から祭礼の維持継承に関わる課題について考察した。農村的地域では、神社祭礼が地域の結びつきを強めるものとして、PTAや自治会などの地域組織と連携を図ることで維持が図られる事例が確認された。しかし、子どもたちが楽しめる参加型の行事が中心となるため、芝居絵展示が担う役割の低下が窺われた。一方、都市的地域では、芝居絵が空間演出装置あるいは文化・観光資源として、氏子もしくは地域内外の運営組織によって、神賑行事や観光行事を中心とした祭事が行われた。これらの地域では、地域全体の人口は一定数存在し、祭事自体は賑わうものの氏子の数は減少傾向にあり、氏子組織の維持や祭礼の核となる神事の催行に問題がうかがわれる。 ②過去に芝居絵展示が行われていた神社・地域についても、当時の空間利用を可能な限り把握し、氏子区域の土地利用について調査を行った。そのうち、かつての農村的地域において住宅地化が進んだ地域や、交通の変化により都市的性格を失うなど、社会基盤に変化が見られた地域では、祭礼自体の維持が難しく縮小傾向にあることがわかった。 ③祭礼の空間・社会的基盤について、祭礼に携わっている人々のうち、特に次世代を担う若年層(小学生~大学生)を中心に聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
長引くコロナ禍により、3ヵ年連続して祭りの中止や縮小が続き、それに伴いヒアリング等が困難な状況が続き、当初の悉皆調査からケーススタディの選定が行えていない。ただし、資料から実施できる調査方法等に切り替え、若干の軌道修正を行い、研究を継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
本来であれば、今年度で研究を完了する予定であったが、ようやくコロナ禍の収束の兆しが見えたことから、研究期間を1年延長して実施することとした。今年度は、ケーススタディ地域を選定し、より詳細なヒアリング調査を行うとともに、コロナ後の祭礼の変化についても注視する必要があるため、全地域についても可能な限り観察調査を行うこととする。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)