文化政策的視点から見た「有機的建築」理論に関する研究
Project/Area Number |
19K04826
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
横手 義洋 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10345100)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 有機的建築 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、19世紀末より米国で注目されるようになった「有機的建築」という概念の進展と変容の過程を、当時の政治イデオロギー、とりわけ文化政策との強い関連において再考するものである。具体的には、アーツ・アンド・クラフツ運動における自然主義、エキゾチシズムやオリエンタリズム、国家を体現する新たな表現の模索、伝統的な構法や土着的伝統へ向かう積極的なまなざし、国家イデオロギーの反映といった主題との関連で分析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果概要を下記に記す。 ルイス・サリヴァン、フランク・ロイド・ライトについては既往研究においてかなり蓄積があるため、主としてプレーリー・スクールと称されるその他の建築家について調査を行った。その中で、ウィリアム・グレイ・パーセルとジョージ・グラント・エルムスリの業績に着目し、いくつかの住宅作品分析を行った。 中でもマサチューセッツ州ウッズ・ホールのブラッドリー邸(1911)は興味深い作品である。大西洋を一望できる半島の切っ先に位置する夏の別荘で、造形的にはバンガロー・スタイルの伝統下に位置づけられるものの、2階部分の伸びやかな水平性が外観上最大の特徴で、当時「エアプレーン・ハウス」と称されたほど大胆な造形である。平面的には1階部分をいわゆる十字形平面とするものの、2階部分が東西方向に若干オーバーハングすることで「飛行機」のごとく浮遊感を演出することに成功していると言える。1階南側に半円形状に突出する空間がリビングで、2階部分は主として寝室等のプライベート空間とされている。パーセルとエルムスリによる直後の別荘、デッカー邸(ミネトンカ湖畔、ミネソタ州、1912)と造形が酷似している点も見逃せない。 パーセルとエルムスリの作品は、フランク・ロイド・ライトの住宅、オープン・プランからの影響が指摘される作品群ではあるが、プレーリー・スクールとしての共通性と作家独自の個性についても明確にできるよう分析を継続させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
年度後半になって海外渡航が可能になり、海外研究調査の可能性がようやく出てきたが、その他の業務の関係で本研究における海外研究調査は実施できなかった。コロナ禍中と同様、文献による調査を継続しているところであるが、現地調査で得られる情報を完全に補うところまではいっておらず、進捗状況としては遅れていると評価せざるをえない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに実施できなかった海外研究調査を実施するべく準備を進めている。これまで現地の航空写真や映像、インターネットを通じた関連情報の収集はしてきたので、現地でしか得られない情報を明確にし、限られた時間を有効に活用していきたい。海外現地調査に際しては、コロナ禍で滞った3年間を取り戻すべくスケジュール調整しながら作業効率の向上を図っていくつもりである。研究全体の進捗が遅れている事実は変わらないので、今後の作業スケジュールを慎重に見極めながら、場合によっては研究期間の延長を検討することも視野に入れたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)