Project/Area Number |
19K04846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
渡辺 圭子 立命館大学, 理工学部, 教授 (80423599)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 磁気粘性流体 / 衝撃吸収 / 鎖状構造 / 衝撃吸収体 |
Outline of Research at the Start |
高速で飛行し、衝突する物体から被衝突物を保護する新たな衝撃吸収体を開発するために、近年、機能性流体として注目されている磁気粘性流体を採用する。 磁気粘性流体とは、印加磁場の強さを変化させることにより、自由液体から半固体状態まで粘度を可逆的に瞬時に変化させることができる流体である。 この「粘度」および「時間」という要素を、高速物体の速度に合わせて可変制御し、衝撃吸収性能を最適化するとともに、様々な衝撃現象に利用できる統一的な衝撃吸収体を創造することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023度に引き続き、低粒子濃度の磁気粘性流体を用い、形成される鎖状構造をデジタルマイクロスコープおよびX線CTを用いて観察し、印加する磁場強度と強磁性体粒子の粒子濃度が鎖状構造の形成に与える影響を調査した。昨年度までは定性的な評価が主であったが、今年度は観察画像を画像処理することにより粒子分析を行い、定量的な評価を試みた。まず、X線CTにより100 mTの磁場が印加された10 vol%の磁気粘性流体を観察した結果、磁場印加方向に粒子数個分の太さを持ったクラスタが形成され、三次元的に分布していることが確認された。次に、1 vol%のMR流体では分散媒が占める領域が大きく、磁場下で様々な角度を有したクラスタが交差して存在していることがわかった。一方、3 vol%および6 vol%のMR流体では画像内のほとんどの領域を粒子が埋め尽くしていることがわかった。また、磁場強度の増加に伴いクラスタの長さが増加し、太さはほとんど変化しないことがわかった。これは磁場強度が増加することにより、磁場と平行な方向に粒子が流動し、クラスタが磁場方向に長く連なることに起因すると考える。今後、数値解析による検討も併せて進める予定である。 高速物体加速装置による衝突貫入実験において、物体(飛翔体)の貫入速度減衰を調査する必要があるが、磁気粘性流体は黒色の不透明流体であるため可視化できないという問題があった。そこで、飛翔体後端に取り付けた棒を可視化すれば貫入速度を計測できるのではないかという発想に至り、実験手法の開発に取り掛かった。現状、棒付き飛翔体の設計を完了し、飛翔体のみの発射確認までは終了した。2024年度は、まず透明液体への衝突貫入実験を実施し、手法の妥当性を確認した後、実際に磁気粘性流体に対する実験を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度に研究を進める中で新たな課題が見つかったため、当初予定していた課題内容を少し変更したため進捗に影響が出ている。これはより重要な課題を解決することを優先させたためであり、着実に研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
高速貫入における衝撃吸収性能の評価の一つとして、飛翔体の貫入速度減衰が挙げられる。しかし、磁気粘性流体は黒色の不透明流体であるため、可視化できないという問題があったが、新たに棒付き飛翔体を用いることにより、それを克服できるのではないかとの考えに至った。現在その実験手法確立に着手しており、2024年度は特にその実現に注力して、開発を進めていく。
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