Project/Area Number |
19K04892
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 光宏 法政大学, 理工学部, 教授 (20263486)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 依存故障 / カオス的時系列解析 / コピュラ / 信頼性 / Hawkes過程 / 依存性抽出 / FGMコピュラ / パラメータ推定 / 未知パラメータの多段推定 / ファクターコピュラ / 共単調コピュラ / 成長曲線モデル / 不偏性 / ベイズ推定 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、たとえば、今後の高度化がさらに進められる電力供給ネットワークシステムが、全体として24時間/365日稼動することを支える基盤技術の一つとして、共倒れ故障(ある部分が故障することにより、他の部分が想定より早く故障するなど)が起こらないように、また起こる可能性をできるだけ精密に予測したいというものである。そのために具体的には、そのようなシステムの各要素が故障するまでの時間の長さ(寿命と呼ばれる)を確率モデルにより表し、数理的に予測するということにおいて、従来の手法とは一線を画す実用性を備えた新手法を開発し提示することを目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続いて,多変量時系列として観測された実データとして,Qiuらによる4連装ベアリングの実験装置から得られたもの(文献1,IMS Bearing Dataset;8変量×約4415万行からなる時系列データ)を題材とし,複数のベアリングが相互に作用して生じると考えられる,依存故障発生の予兆の推定方法について数理・統計的なモデルの検討を行った.特に今年度はコピュラによる依存性の抽出モデルのみならず,タケンスの埋め込み定理を背景としてもつ,カオス的時系列データの分析法(文献2)の適用について検討した.この手法は古典的な手法の一つとして知られているが,現在においてはあまり適用例を見ることがない手法とも言え,試す価値があるものと考えた.この手法には外生的に与えるべきパラメータ値の種類が複数あり,それらの値の選び方などにさらなる検討が必要である.しかしながら,「いつベアリングに異常が起こったのか」という本研究の基本的課題については,一定の役割を果たしうることが分かった.今後は依存故障,連鎖故障の予兆の推定について検討を進める.
(文献1) Qiu, H., Lee, J., Lin, J. and Yu, G.“Wavelet filter-based weak signature detection method and its application on rolling element bearing prognostics,” Journal of Sound and Vibration, Vol. 289, 1066-1090 (2006). (文献2) 大鋳 史男:“時系列データを判別するカオス的手法について,”日本応用数理学会論文誌, Vol.12, No.1, 67-78 (2002).
また,上記の他,コピュラに関する本研究に関連する研究成果として,非対称な二変量データに関するモデリングに関するものがあり,これについては共同研究者との成果発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コピュラによるデータ解析のほかに,カオス的時系列としての分析手法を,連鎖故障の予兆の推定について組み込もうとしてきた.一定の成果が得られたが,成果発表としてはこの件は2024年度中に行うこととなり,その点では少し進捗は遅いと言える.さらにこの他,古典的な異常検知手法である,マハラノビス・タグチメソッド(いわゆるMT法)についても適用の検討を始めた.今後の見込みとしてはこのような複数の予測手法を同時に適用する,多数決判定手法を開発することで,当初の目標を達成することができるのではないかと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
前項目でも言及したが,多変量時系列解析に対する,もうひとつの古典的手法であるMT法(マハラノビス・タグチメソッド)の適用を既に検討してきており,これを継続する.特に,MT法にはいくつかの計算上の工夫などについて従前から多くの研究者らによって提案されたものがある.本研究の中でそれらを試すことと,そもそもMT法の前提となっている,データが正規分布に従うものとされている点について,なんらかの合理的な手法を開発する必要があるとも考えている. 最終的には,コピュラ,カオス的時系列解析,MT法を組み合わせた多数決決定法について,2024年度を最終年度とした研究開発を進める所存である.
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