革新的なタイヤゴム材料創製に不可欠なゴム-炭素界面の詳細な化学構造解析
Project/Area Number |
19K05180
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
干川 康人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90527839)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
|
Keywords | バウンドラバー / カーボンブラック / タイヤ / CVD / アルミナナノ粒子 / ゴム / 炭素被覆無機ナノ粒子 / 化学気相蒸着法 |
Outline of Research at the Start |
ゴム-カーボンブラックの界面に形成するバウンドラバーはタイヤゴムの性能に大きく影響を及ぼすと考えられているが、界面領域がごく僅かしかないため解析困難なため、その詳細な化学構造は解明されていない。本研究ではカーボンブラックに類似した炭素被覆無機ナノ粒子をモデルフィラーとして用いることで、これまでに解明されていないゴム-フィラー界面の詳細構造を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンブラック(CB)をゴムと複合化すると“バウンドラバー”が形成され、ゴムの機械的強度が大幅に増強される。近年のタイヤゴム開発では、特にゴム-フィラー間における化学結合が機能性発現に重要であり、ゴム-炭素界面の化学構造制御が革新的なゴム材料創製に必要不可欠である。しかしながらゴム-炭素界面の領域はごく僅かで解析困難であるため、ゴム高分子が炭素表面とどのように結合し、その結合量がどの程度あるのかといった基本的な構造自体が分かっていない。そこで本研究では、CBに似たストラクチャーを持つアルミナナノ粒子表面にグラフェン1,2層分の炭素膜を被覆したモデルフィラー(C-ANPs)を作製し、これを用いることでゴム-フィラー界面の詳細構造の解析を試みた。 異なるCVD条件とその後の熱処理条件により、表面化学性状の異なる炭素膜を被覆したC-ANPsを作製し、これらをスチレン-ブタジエンゴム(SBR)と混錬し複合化した。その後、トルエン溶媒を用いたオートクレーブ処理により、ゴム-フィラー界面に存在するバウンドラバー(界面バウンドラバー)以外のゴム成分を除去し、熱重量分析で定量したところ、界面バウンドラバーはC-ANPsの水素末端エッジサイト数に比例して増加する化学結合成分と、水素量に関係なくフィラー表面に結合する物理吸着成分に分けられ、更に化学結合成分は水素量が一定以上になるとそれ以上増加しない閾値があることが明らかになった。また、示差走査熱量測定から、界面バウンドラバーは通常のSBRと異なる熱的物性(Tgの消失あるいは大幅な高温シフト)を持つことも確認された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)