Project/Area Number |
19K05266
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29020:Thin film/surface and interfacial physical properties-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 秀士 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (30322853)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2020)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
|
Keywords | 非接触原子間力顕微鏡 / 放射光X線 / 元素分析 / ナノスケール / 表面・界面 / 半導体 / ゲルマニウム / 空間分解能 |
Outline of Research at the Start |
ムーアの法則を”超える”技術として近年、原子や分子を素子とした論理回路の実証実験が始まっている。これに合わせ、構造・組成・機能を原子~ナノスケールで統合的に理解するための環境整備が急務である。本研究では、表面ナノ構造や物性を分析できる非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)と化学分析が可能な放射光X線(SR X-ray)を組み合わせ、ナノスケールの構造・組成・機能を総合的に分析する「X線支援非接触原子間力顕微鏡(XANAM:ザナム)」の開発を行う。本申請期間では元素別データの拡充と現象・原理の理解を進めるとともに、空間分解能の向上を図り、「元素検知テスター」としてのポテンシャルを証明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
今後の表面/界面の物性研究では、ナノ構造を構成する原子の元素情報や化学状態の理解がますます重要になる。そこで我々は、非接触原子間力顕微鏡(NC-AFM)の空間分解能で表面化学分析を実現することを目指し、NC-AFMと放射光X線を組み合わせた「X線支援原子間力顕微鏡(XANAM)」を開発してきた。NC-AFMの研究では、探針-試料間に働く原子間力には、van der Waals力と静電気力の他、共有結合力も含まれる事が既に知られている。我々は、共有結合力の電子密度を変化できればNC-AFMの力信号の変化が観測でき、これを試料元素固有のX線吸収端エネルギーのX線励起で行えば、試料表面の元素マッピングできると考えた。しかしこれまでは、「X線でNC-AFMの原子間力が変化し試料表面の元素マッピングが可能」とは示せたが、空間分解能の到達限界の検証には至れなかった。そこで本研究では、Ge半導体表面でXANAMの空間分解能の到達限界を検討した。 実験は放射光施設KEK-PF(茨城県つくば市)で行った。試料はSi基板上に作成したGe量子ドット(Ge-QD)(名古屋大学大学院工学研究科 宮崎研究室より提供)を用いた。前年度の結果から、Ge表面でもGe-K吸収端の11103 eV付近で力信号の応答があるとわかっている。そこでフォースカーブの連続測定による力の3次元データΔf(x, y, z)をX線エネルギー(E)掃引しながら行い、Ge-QDに関する力信号の4次元データΔf(x, y, z, E)を取得した。これより、少なくとも数ナノメートル程度の空間分解能でX線誘起の力信号応答が計測可能とわかった。同測定では、Ge-QDをSiで被覆すると応答が得られないことも確認できており、元素マッピングに共有結合力が介在していることが強く支持される。より精密な測定ならば原子分解能も十分到達可能と期待された。
|