Project/Area Number |
19K05875
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
栗原 千枝 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (90532515)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穂苅 量太 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 教授 (90255464)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 乳化剤 / 腸内細菌叢 / 腸管炎症 / 腸内細菌 / 炎症性腸疾患 |
Outline of Research at the Start |
炎症性腸疾患 (IBD) は原因不明の難治性疾患であるが、病因の一つとして食べ物や腸内細菌などの環境的要因による消化管免疫バランスの破綻が想定されている。近年、加工食品用添加物の一つである乳化剤が、動物モデルの腸内細菌叢を変化させ、腸炎を引き起こすことが報告された。本研究では、乳化剤がどのような機序で腸内環境バランスを破壊し腸炎を誘発するのかを解明し、IBDの予防や治療に結びつけることを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
加工食品用添加物の一つである乳化剤が、動物モデルにおいて腸内細菌叢を変化させ腸炎を引き起こすことが報告され、近年の炎症性腸疾患(IBD)患者数増加の一因となっている可能性が示された。本研究は、乳化剤がどのような機序で腸内環境バランスを破壊し腸炎を誘発するのかを解明し、IBDの予防や治療に結びつけることが目的である。 昨年度までの解析で、乳化剤polysorbate 80(以下P80)はマウス小腸炎を増悪させることが示され、腸内細菌叢の変化は大腸よりも小腸で大きく、また小腸では硫化水素産生菌のP. mirabilisの増加を示す結果を得た。マウスの小腸炎増悪にはP80による腸内細菌叢の変化が関与しており、特に多様性の低下が腸炎を起こしやすい環境形成の一因であることが示された。またP80投与マウスでは、腸管粘膜から流出するリンパ液中の自然リンパ球の組成が変化しており、腸管免疫異常の一因となっている可能性が示唆された。 最終年度は、母マウスの乳化剤摂取が仔マウスへおよぼす影響について解析をおこなった。妊娠中の母マウスの食餌が仔マウスの腸内細菌叢の変化や疾患発症に影響することが報告されている。そこで母マウスが摂取したP80が仔マウスの腸炎増悪に影響をおよぼすのか検討した。通常餌およびP80摂取の母マウスから生まれた仔マウスに対し腸炎を誘導したこところ、P80摂取マウスの仔は通常餌マウスの仔に比べ体重減少および腸管の短縮が抑制された。また腸管における炎症性サイトカインmRNAの発現は両群で有意な差が認められなかった。これらは親マウスのP80摂取が仔マウスの腸炎を抑制することを示唆しており、予想に反した結果となった。今後は、本研究で得られた結果を基盤として病態との関連について更なる解析を進め、IBDの予防や治療への応用を目指したい。
|