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ゲノム編集によりグルテンを改変した低アレルゲン小麦の作出

Research Project

Project/Area Number 19K05977
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
Research InstitutionYokohama City University

Principal Investigator

川浦 香奈子  横浜市立大学, 木原生物学研究所, 准教授 (60381935)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2020)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywordsパンコムギ / 小麦アレルギー / 種子貯蔵タンパク質 / ゲノム編集
Outline of Research at the Start

パンコムギにおいて、グリアジンは種子貯蔵タンパク質の一つであり、小麦粉のグルテンの構成成分である。グリアジンは遺伝子のコピー数が特に多く、一部がアレルギーの原因となる。これまで、これらの多重遺伝子は、それぞれ異なる発現パターンを示すことを明らかにしてきた。本研究では、パンコムギにおける種子貯蔵タンパク質遺伝子の発現を制御する転写因子を特定し、多重遺伝子の制御機構を解明することを目的とする。さらに、ゲノム編集技術を用いて、転写因子およびグリアジンをコードする複数の遺伝子の同時改変を行う。このアプローチにより、従来の育種法では得られなかった低アレルゲン化した小麦粉を産生できる系統の作出を目指す。

Outline of Annual Research Achievements

パンコムギにおける種子貯蔵タンパク質遺伝子それぞれの発現を制御する転写因子を特定し、多重遺伝子の発現制御機構を明らかにすること、ゲノム編集技術を用いて転写因子を改変し、低アレルゲン化したコムギの作出を目的とした。
昨年度までに、パンコムギの種子貯蔵タンパク質を制御する転写因子の候補としてSPA、O2-like 、およびWPBFの遺伝子発現パターンを調べた。その結果、それぞれ種子登熟期の胚乳で発現しており、種子貯蔵タンパク質遺伝子の発現が高い時期にSPAとWPBFも発現が高い一方で、O2-likeは低くなることが示された。また、種子貯蔵タンパク質の中で特にコピー数の多いα-グリアジン遺伝子に着目し、未知の転写因子を探索するため、酵母ワンハイブリッド解析を行ったが、候補となる転写因子は得られなかった。
パンコムギのCRISPR/Cas9システムによるゲノム編集の変異導入を高効率化し、従来法のDNAベクターではなく、gRNAとCas9タンパク質からなるRNP複合体をパンコムギ未熟胚に直接導入する手法の改良を行った。ゲノム編集の変異導入効率の実績があるLox2を標的とし条件検討を行い、変異導入が可能な条件を決めることができた。しかしながら、従来のDNAベクターを導入するほどの高効率化には至らなかった。そこで、RNP複合体を用いて転写因子SPAおよびWPBFのゲノム編集系統作出に取り掛かっていたが、変異体作出に時間がかかることが考えられたため、パーティクルボンバードメントによるDNAベクター導入によるゲノム編集を行うこととした。さらに、標的配列の特異性による変異導入効率向上を目的とし、SPA、O2-like、WPBFについて標的配列の再検討を行い、導入コンストラクトの構築を行った。パンコムギにおける標的配列の特異性による変異導入効率のスクリーニング法については、短報として発表した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では、(1)パンコムギの胚乳特異的遺伝子発現に関連する転写因子の探索、(2)転写因子をコードする同祖遺伝子を変異させたゲノム編集系統の作出、(3)グリアジンのアレルギーの原因となるエピトープを標的としたゲノム編集系統の作出、(4)ゲノム編集による変異系統の評価、の4点を計画している。(1)については、新たな転写因子は発見されなかったものの候補転写因子を選択することができた。(2)については、ゲノム編集の手法の確立が進み、目的とする転写因子を標的としたゲノム編集系統作出に取り掛かったが、手法の再検討を行ったため、変異系統作出には至っていない。このことから、2年目としてはやや遅れていると考える。

Strategy for Future Research Activity

引き続き、パンコムギのゲノム編集系統の作出の高効率化およびSPA、O2-like、WPBFの変異系統作出を行う。また、グリアジンのアレルギーの原因となるエピトープを標的としたゲノム編集系統の作出にも着手する。できるだけ早期にゲノム編集系統を取得することを目指し、ゲノム編集法の高効率化のみならず、変異の検出法等、ハイスループットな手法の確立も同時に目指す。変異系統が作出でき次第、当代での種子貯蔵タンパク質の簡易的な調査を行い、転写因子が種子貯蔵タンパク質におよぼす影響の有無を判断する。

Report

(2 results)
  • 2020 Research-status Report
  • 2019 Research-status Report

Research Products

(6 results)

All 2021 2020 2019

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (3 results)

  • [Journal Article] In planta Genome Editing in Commercial Wheat Varieties2021

    • Author(s)
      Liu Yuelin、Luo Weifeng、Linghu Qianyan、Abe Fumitaka、Hisano Hiroshi、Sato Kazuhiro、Kamiya Yoko、Kawaura Kanako、Onishi Kazumitsu、Endo Masaki、Toki Seiichi、Hamada Haruyasu、Nagira Yozo、Taoka Naoaki、Imai Ryozo
    • Journal Title

      Frontiers in Plant Science

      Volume: 12 Pages: 648841~648841

    • DOI

      10.3389/fpls.2021.648841

    • Related Report
      2020 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] A rapid method for detection of mutations induced by CRISPR/Cas9-based genome editing in common wheat2020

    • Author(s)
      Kamiya Yoko、Abe Fumitaka、Mikami Masafumi、Endo Masaki、Kawaura Kanako
    • Journal Title

      Plant Biotechnology

      Volume: 37 Pages: 247~251

    • DOI

      10.5511/plantbiotechnology.20.0404b

    • Related Report
      2020 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Genome-Edited Triple-Recessive Mutation Alters Seed Dormancy in Wheat2019

    • Author(s)
      Abe Fumitaka、Haque Emdadul、Hisano Hiroshi、Tanaka Tsuyoshi、Kamiya Yoko、Mikami Masafumi、Kawaura Kanako、Endo Masaki、Onishi Kazumitsu、Hayashi Takeshi、Sato Kazuhiro
    • Journal Title

      Cell Reports

      Volume: 28 Pages: 1362~1369.e4

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.celrep.2019.06.090

    • Related Report
      2019 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] CRISPR/Cas9リボ核タンパク質複合体の直接導入によるパンコムギのゲノム編集法の確立2020

    • Author(s)
      三ツ村葵, 神谷容子, 土岐精一, 遠藤真咲, 加藤悦子, 川浦香奈子
    • Organizer
      日本育種学会第137回講演会
    • Related Report
      2019 Research-status Report
  • [Presentation] コムギの種子貯蔵タンパク質グリアジンの包括的な解析2019

    • Author(s)
      川浦香奈子
    • Organizer
      日本プロテオーム学会2019年大会
    • Related Report
      2019 Research-status Report
  • [Presentation] 国内産パンコムギを用いた小麦粉生地進展性に寄与するα-グリアジン遺伝子の解析2019

    • Author(s)
      野間聡、早川克幸、阿部千香子、鈴木彩夏、川浦香奈子
    • Organizer
      日本育種学会第136回講演会
    • Related Report
      2019 Research-status Report

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Published: 2019-04-18   Modified: 2021-12-27  

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