Project/Area Number |
19K06078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39050:Insect science-related
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
平井 和之 杏林大学, 医学部, 講師 (70597335)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 前核 / 二倍体化 / 受精卵 / 有糸分裂 / 核膜孔複合体 / 母性因子 / 遺伝学 / 受精 / 染色体 |
Outline of Research at the Start |
世代を超えた遺伝情報の伝達は卵と精子を通して行われる。卵由来の染色体の集まりと精子由来の染色体の集まりは受精卵のなかで合体し、新しい世代の染色体セットが形成される。有性生殖の成立にこの過程が必須である。しかし雌の体内で起こるこの過程は詳細が不明である。そこで本研究において、ショウジョウバエを用い、受精卵の発生を精子侵入直後から観察できる新たな実験系の確立を試み、この過程ではたらく遺伝子の機能を解析する。本研究により昆虫遺伝資源の有益性をさらに高める新しい知見が得られることが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
精子が卵へ侵入した後、卵と精子に由来する2つのゲノムは雌性前核と雄性前核に個別に収納される。そのため受精卵は二核である。これら2つのゲノムは、胚第1回目の細胞周期の有糸分裂期中期においても混合されない状態を保ち、それらは個別のグループとして紡錘体の赤道面に並ぶ。新しい世代の発生に必須な二倍体の染色体セットは、紡錘体のはたらきにより、終期になってはじめて形成される。このような受精卵における二倍体化の過程は、多くの動物で共通している。最近の医学的研究から、ヒトの受精卵は染色体の分配異常を起こしやすいことが明らかにされ、不妊症との関係が議論されている。そのため、受精卵に特有な紡錘体の形成機構とその機能の解明が期待されているが、これまでのところ、いずれの動物においても詳細は不明である。 われわれは最近、ショウジョウバエの母性効果致死変異Elysが、受精卵に特有な紡錘体形成の異常を引き起こすことを示した。本研究において、このタンパク質に注目した、受精卵特異的な紡錘体形成機構を解析している。これまでに、ELYSタンパク質が2つの前核の核膜へ局在すること、さらにElysの機能喪失型変異が示す表現型と、過剰発現による機能獲得型の表現型を明らかにした。当該年度は、国際学会へ参加し、この分野の研究者との深い議論を通して、われわれが既に得ている結果を注意深く考察した。受精卵の前核の核膜に含まれるELYSは、2つの前核が隣接して並べるために必要である。このようなELYSのはたらきは二核である受精卵に特有であると考えられた。受精卵内で、前核が隣接した配置を確立することで、受精卵特異的な構造をもつ紡錘体の形成が可能となると考えられた。本研究は、受精期における二倍体化機構を理解するための鍵となる、重要なデータを提供する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において、これまでに知られていない新しい表現型を扱っている。そのため、結果の解釈に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
データの整理と結果の解釈が進んだことから、今後は論文の完成を目指す。
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