Origin of plant species diversity hot spot by means of reciprocal colonization between China continent and Japanese islands
Project/Area Number |
19K06122
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 40010:Forest science-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
阿部 晴恵 新潟大学, 佐渡自然共生科学センター, 准教授 (60462272)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | ヤブツバキ / ユキツバキ / 分子系統地理 / 花形質 / ホタルブクロ / シマホタルブクロ / ホタルブクロ変種 / ポリネーターシフト / ツバキ属 / サザンカ / 相互移入 / 花粉媒介系 / 分子系統解析 / 菌類 / 種多様化 / アジア大陸 / Camellia / 再移入 / 日本列島 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、アジア大陸での生物群集の多様性形成における日本列島の役割を、大陸(本土)から島嶼環境へ移入し固有化した植物種が大陸へ再移入し、祖先種との相互作用(交雑など)を通じて種多様化の駆動力になるという仮説を、進化学的プロセスと生態学的プロセスから実証する。研究では、ツバキ属を材料に、日本とアジア大陸で比較検証する。ツバキ属は中国に分布の中心があり、日華植物区系における主要植物の一つである。申請者はすでに日本のツバキ節の分子系統関係を明らかにしているため、本研究では、ツバキ節の祖先種およびその近縁種が分布する中国を中心に調査を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までは、日本に分布するツバキ属ツバキ節のヤブツバキとユキツバキについて、近縁種を含めた解析を行うことで、これらの系統関係を検討し、さらに、日本列島、朝鮮半島、中国大陸の沿岸部、台湾に分布するヤブツバキのデモグラフィー解析を行うことで、広域分布種の歴史的な変遷を明らかにした。網羅的なツバキ属の形質解析と、日本のツバキ節を中心とした分子系統解析の結果は学術誌に投稿準備中である。 今年度は、予定していた中国への渡航ができなかったため、広域分布種として、ホタルブクロを扱った。日本及び朝鮮半島を網羅する集団サンプルで、分子系統地理学的解析(MIG-seq)を行い、ホタルブクロとその変種及びシマホタルブクロの分類学的位置づけを行った。その結果、クレード間のBS値はすべて30以下であり明確な遺伝的分化は見られなかった。つまり、変種のヤマホタルブクロとホタルブクロ、イシダテホタルブクロはホタルブクロに含まれた。シマホタルブクロは一つのクレードにまとまるものの、BS値は29であり、別種として支持されなかった。Admixtureにおいて分けられた7つのクラスターから、交雑個体を除き、遺伝的分化が0.04以下である東北・中部・関東をPOP1, 伊豆諸島をPOP2、九州・四国・中国をPOP3, 朝鮮半島をPOP4とした294個体で分布変遷の推定を行った。DIYABC-RF (R0.5)を用いたベストモデルでは、鬱陵島(タケシマホタルブクロ)と伊豆諸島(シマホタルブクロ)が最も遺伝的に分化した。また①北日本、③中部、④関東集団の遺伝的分化は低かった(>0・04)。最終氷期以降に各集団は分化したと推定された。本州のホタルブクロと伊豆諸島のシマホタルブクロは最終氷期最盛期(LGM)前後に分岐と推定され、伊豆諸島が成立したあとすぐの移入ではなく、最近の移入と推定できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画では、日本及び大陸のツバキ属を対象に網羅的な遺伝解析を行い、さらに花形質やポリネーターの観察データに基づいて、総合的にツバキ属の種分化を検証することを目的としていたが、昨年度と同様に、今年度もコロナ禍において大陸(中国)での調査が出来なかったため、日本国内の植物園や既存サンプルを用いた網羅的な形質解析と分子系統解析を行った。これらの結果は投稿準備中である。また、ホタルブクロを新たな材料として、本研究の仮説検証を行うために、形質と分子系統解析を行った。その成果は第70回日本生態学会で発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は計画していた中国への渡航が可能になると考えられる。このため、研究計画で予定していた生態観察を行う。また2023年度から材料として加えたホタルブクロCampanula punctata)について、中国の集団についても分子系統解析のための材料を収集する予定である。
|
Report
(4 results)
Research Products
(23 results)