入会林野に由来する多数記名共有林の森林管理上の課題と政策の検討
Project/Area Number |
19K06280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
山下 詠子 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (10733561)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 入会林野 / 記名共有林 / 登記 / 入会権 / 森林管理 / 都市近郊林 / 認可地縁団体 / 生産森林組合 / 所有者不明土地問題 / 多数記名共有林 |
Outline of Research at the Start |
集落等をなす地域集団が共同で利用してきた入会林野には、権利者全員の共有名義で登記されたものが全国的に広く存在する。しかし、これら多数記名共有林では登記をめぐる権利関係が複雑化し、所有者不明化が進行している。 本研究は、これらの多数記名共有林が森林管理をする上でどのような課題を抱えているかを明らかにし、また多数記名共有林に対する政策的措置の実施状況を把握し、現場での解決策および政策的課題を提示することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、数十名から百名以上などの多数人による共有名義で登記された記名共有林の現状を把握し、その特徴と森林管理上の課題を整理することを目的としている。このような森林の多くは集落等の地域住民の共有財産として管理・利用されてきた入会林野に由来しており、全国各地に多数存在する。しかし、明治時代に登記されて以来、相続登記が一度もなされずに放置されていることが多く、所有者不明土地問題の観点からも課題が多い。そこで、記名共有林の現状把握に加えて、近年整備されてきている記名共有林に対する政策的措置の実施状況を把握し、現場での解決策および政策的課題を提示することを目指す。 令和4年度もCOVID-19の感染拡大期はあったものの、前年度までとは異なり、タイミングを計り感染防止対策をとることで、現地調査を実施することができた。現地調査は、滋賀県栗東市および甲賀市、神奈川県南足柄市、山梨県小菅村等にて実施した。他にオンラインでの聞き取り調査も実施した。 とりわけ都市近郊林における入会林野においては、先祖から権利を受け継いできた権利者においても、農村部とは異なる権利意識や慣習への認識が見いだされ、入会権の変容の新たな型を見出すことができた。他地域の都市近郊林においても同様の意識の変化がみられることが考えられ、この点について今後さらなる研究が必要である。これらの現地調査の一部については学会発表を行ったが、ほかは現在、論文投稿に向けて取りまとめている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、COVID-19の感染拡大による制約はあるものの、感染拡大以前に近い形での調査を実施することができた。しかし、学務を含む研究・教育業務全体がCOVID-19前に戻りつつあることで業務の全体量が増えてしまい、計画通りに研究成果を取りまとめることができなかったことから、進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となるため、まずは遅れている論文投稿を鋭意進めたい。合わせて、積極的に学会や研究会での発表も行い、成果を出していきたい。
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Report
(4 results)
Research Products
(15 results)