日本型総合農協の制度的特質に関する研究―協同組合性と農業団体性の相克の視点から
Project/Area Number |
19K06281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
増田 佳昭 立命館大学, 経済学部, 教授 (80173756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細谷 亨 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40762068)
辻村 英之 京都大学, 農学研究科, 教授 (50303251)
多木 誠一郎 小樽商科大学, 商学部, 教授 (50324364)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 農業協同組合 / 農会 / 産業組合 / 農家小組合 / 農業団体 / 協同組合 / 農業協同組合法 / 農業会 / 農協の三つの顔 / 同業組合 / 協同組合法 / 柑橘同業組合 / 系統農会 / 農業団体再編成 / 営農指導事業 / 農業協同組合中央会 / 信用事業分離 / 農業団体法 |
Outline of Research at the Start |
日本の総合農協(JA)は、「協同組合」でもあるが「農業団体」でもある。両方の性格が併存するために、その性格やあるべき姿をめぐってさまざまな議論がある。近年問題になっている「准組合員問題」がその象徴である。日本の総合農協については、「協同組合」としての性格と「農業団体」としての性格がどのように絡まり合い、どのように矛盾をはらみ、どのように解決されてきたのかを論理的に明らかにする必要がある。 本研究では、制度に焦点を当てながら、日本の総合農協の成立経過(戦前の農会、農業会の並立から農業会への統合、戦後農協への継承)とともに、諸外国との比較を通じて、その特質を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナ感染の影響が長引いたために、今年度も海外出張をともなう調査研究は実施できず、国内調査等も大幅に制約されたが、以下の研究実績を上げることができた。 増田は、引き続き、日本における農業協同組合を対象にその歴史的変化を踏まえた特性把握をすすめた。今年度は、とくに農協の基礎組織とされる「農家小組合」の歴史的形成過程を中心に研究を行った。農家小組合は集落の「自治組織」としての側面が強調されることが多いが、大正期以降、農会の基礎組織として府県を単位に斉一的に整備されたものであること、それが集落内農業者の丸抱え組織として農業団体の末端たる集落レベルの組織しての整備を狙うものだったことを明らかにした。 多木は、農業団体の法形態として必ずしも「協同組合」を採用する必要はなく、他の企業形態とりわけ最も汎用性が高いと思われる「株式会社」を採用することも考慮に値すると考え、実質的意義の協同組合を株式会社の法形態で設計する可能性と限界について比較法研究をすすめ、その一環としてわが国の娘法といいうる韓国会社法について考察した。 辻村は、アフリカの農家経済を対象に研究を行い、それをふまえて、農家経済経営の把握方法に新制度学派の視点から新たな問題提起を行った。あわせて、フェアトレードを中心に協同組織と運動を分析した。 細谷は、経済史学における研究動向を分析するとともに、満州移民の帰国後の対応を属性別に明らかした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
引き続く新型コロナ禍のもとで、海外調査がまったく実施できず、国内での移動も制限されて現地調査等は大きく制約された。そのため、文献研究や既存研究のとりまとめが中心となった。研究全体としては遅れを余儀なくされ、研究期間のさらに1年間の延長を申請したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の制約がほぼなくなり、海外研究も可能となることから、本研究課題に沿って、残された調査研究を行って研究成果を上げたい。また、文献およびデータのさらなる収集と分析などで、研究の深化を図る。 最終年度なので、研究会を開催して成果の確認を行うとともに、研究目的の達成に向けて努力したい。
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Report
(4 results)
Research Products
(27 results)