ラクトフェリンによるマクロファージの分化制御機構の解明
Project/Area Number |
19K06361
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42010:Animal production science-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
高山 喜晴 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (00343989)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2019)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ラクトフェリン |
Outline of Research at the Start |
ラクトフェリンは乳を始めとする哺乳類の外分泌液中に含まれる鉄結合タンパク質である。免疫賦活作用を持つことが知られており、自然免疫系の主役である炎症型マクロファージによる細菌や外来異物の貪食を促進する。一方、ラクトフェリンは抗炎症活性があり、過剰な免疫応答を緩和するという全く相反した機能を併せ持つ。本研究は、炎症抑制マクロファージに着目し、その分化と抗炎症活性に対するラクトフェリンの機能を解析することで、ラクトフェリンの抗炎症メカニズムを解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
ラクトフェリンは哺乳動物の乳や外分泌液中に含まれる鉄結合性の糖タンパク質である。母乳中のラクトフェリンは授乳により新生児に移行し、抗菌活性、抗ウィルス活性、免疫調節作用により、新生児を防御する機能を担っていると考えらる。 マクロファージは、貪食作用による自然免疫機能を有する細胞である。細菌感染などの組織浸潤に対応して炎症反応を促進する炎症型マクロファージ(M1型)と、組織の炎症を抑制し創傷の修復を促進する炎症抑制マクロファージ(M2型)の2つのサブタイプが存在する。近年では、マクロファージの活性制御が炎症性疾患の病態の改善に有効であると考えられている。 炎症抑制マクロファージの分化に対するラクトフェリンの効果を解析するため、本研究では、THP-1細胞(ヒト単球由来株化細胞)のホルボールエステル(PMA)とIL-4/IL-13処理による炎症抑制マクロファージへの分化系を用いた。CD163 の発現、培養液中へのIL-10の分泌、STAT3の活性化を炎症抑制マクロファージ分化の指標とした。ラクトフェリン刺激により、マクロファージにおいてCD163の発現上昇とIL-10の分泌が増加したことから、ラクトフェリンが炎症抑制マクローファージの分化を促進する機能を持つことが示唆された。炎症性疾患に対し、乳成分タンパク質の摂取が有効であることが動物実験やヒト試験で明らかになりつつあるが、本研究の結果により、ラクトフェリンがその効果の一部を担う成分であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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