単細胞生物におけるプログラム細胞死の進化に関する数理生態学的研究
Project/Area Number |
19K06851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山内 淳 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40270904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 移住モデル / 多種共存 / ランク-アバンダンス曲線 / 競争力-繁殖力トレードオフ / コロニー移住モデル / 準競争排除 / プログラム細胞死 / 進化 / 群集構造 / 理論 / コロニー定着モデル / 競争-繁殖力トレードオフ / 単細胞生物 / ゲーム理論 / 血縁淘汰 / 数理モデル |
Outline of Research at the Start |
単細胞生物において、特定の条件下で自ら死亡するプログラム細胞死(PCD: Programmed Cell Death)という現象が知られている。特に、高密度条件で誘導される細胞死に注目して、その進化をもたらすメカニズムを理論的に明らかにすることを目指す。中でも「栄養ストレスの改善」と「パラサイトの増殖抑制」に注目したメカニズムについて、単細胞生物の個体群動態やパラサイトの疫学動態にも注目しながらその進化過程を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、本研究課題での理論解析に用いる移住モデル(colonization model)について、そこから派生した多種共存機構の問題に関して成果を取りまとめた。それらは、Yamauchi et al. (2023, Ecology and Evolution) と Yamauchi et al. (2023, Theoretical Population Biology) の2本の論文として出版された。 また、移住モデルのダイナミクスの特性について解析的な分析も進めており、その成果を論文として取りまとめて学術誌に投稿し、査読中である。先に出版した論文で、生物の幼生と移住先のサイトとの出会いの確率が多種の共存ダイナミクスに大きく影響することが、数値解析とシミュレーションにより明らかとなっている。すなわち出会いがマス・アクションのイベントとして起こる場合には平衡状態に収束するが、頻度依存的なイベントの場合には多種の割合が不規則に変動し続け、またその軌道は初期値に大きく依存する。その特性を、平衡状態近傍での線形近似とリヤプノフ関数を用いることで解析的に示し、そのメカニズムを明らかにすることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体としては着実に成果を上げているが、以下の点で進捗が遅れ気味となっている。 まず、研究課題の単細胞生物の細胞死を解析するにあたって、その解析に用いている移住モデルの特性が実はこれまで十分に調べられておらず、そのモデルの性質そのものの解析に力を入れる結果となっている。さらに、移住モデルが生物群集の構造の解析に有効であることがわかり、それに関する研究を派生的に進めたことで本来の研究課題の対応が遅れている。またCOVID-19によって海外渡航や国際学会への参加が滞りがちになったことで、2回の研究期間の延長を行うなどの影響が出ている。 このような状況ではあるが、その中でも関連する研究成果の論文を出版するなど、全体としては着実に成果を上げている。
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Strategy for Future Research Activity |
派生的な研究が大きく進展したこともあって、研究期間中に本来の研究課題を十分に取りまとめることはできないかもしれないが、引き続き研究課題を進めるために努力してゆく。 また今年度には、これまでの取り組みの発信にも力を入れてゆく予定である。すでに韓国で開催される国際研究会への参加も予定しており、また国内の学会にも参加してこれまでの研究成果を発表してゆく。加えて、現在投稿中および執筆中の論文の公表に向けて取り組む。
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Report
(4 results)
Research Products
(32 results)