ライバル雄の妨害がドライブするシオマネキ類の配偶者選択におけるシグナル系の複雑化
Project/Area Number |
19K06857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
竹下 文雄 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (00723842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逸見 泰久 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 教授 (40304985)
松政 正俊 岩手医科大学, 教養教育センター, 教授 (50219474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | シオマネキ類 / ハクセンシオマネキ / メスによる配偶者選択 / 妨害 / オス間競争 / 性淘汰 / 配偶者探索 / 密度 / 妨害行動 / 配偶者選択 / シグナル / 求愛 |
Outline of Research at the Start |
シオマネキ類のメスによる配偶者選択において、オスが利用する複数の求愛シグナルが、近隣オスによる妨害行動に起因して進化してきた可能性を検証する。まずハクセンシオマネキを対象に、オスが利用する各求愛シグナル(構造物、ウェービング、求愛音)に対する妨害行動の機能を示すとともに、密度の異なる個体群の比較から妨害強度とシグナル利用との関連性を捉える。さらにシオマネキ類40種程度を対象とした系統種間比較により、妨害行動と求愛シグナルの複雑化の進化的関連性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
シオマネキ類の繁殖行動の比較のため、オキナワハクセンシオマネキおよびヒメシオマネキの野外観察を鹿児島県奄美大島および沖縄県西表島で実施した。 本計画で注目する近隣オスの妨害がオキナワハクセンシオマネキの巣穴内交尾においても一部観察された。ただしこれまで研究を進めてきたハクセンシオマネキとは部分的に異なり、妨害の有無は配偶の過程で雌雄が巣穴に入る順序と関連する可能性が示唆された。またオスが発する求愛音も、雌雄の巣穴に入る順序、さらには近隣オスによる妨害と相互に関連する可能性が併せて推察された。ヒメシオマネキでは、一般にシオマネキ類で知られるような、オスがメスに求愛しメスがオスを選ぶ配偶プロセスではなく、オスが近隣のオスと競り合いながらメスを巣穴に押し込もうとする配偶行動が観察された。この対立的な配偶行動は他研究者よりすでに報告されていたものの、定量的なデータは示されていなかった。今後さらにデータを追加する必要があるが、ハクセンシオマネキおよびオキナワハクセンシオマネキとはまた異なるオスーメスー妨害オスの関係が示唆される。 社会行動をふるまうハクセンシオマネキほど同所的に生息する肉食性カニ類ヒメアシハラガニによる捕食リスクが高まることを野外観察より示した論文がBehavioral Ecology and Sociobiolgy誌に受理・掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き国内外の移動が一部制限されていたこともあり、十分な標本調査・野外調査を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を延長し、国内外の博物館調査および野外調査により種間比較のための形態データ・行動データを蓄積・追加する。
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Report
(4 results)
Research Products
(11 results)
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[Book] カニの歌を聴け2022
Author(s)
竹下 文雄
Total Pages
192
Publisher
京都大学学術出版会
ISBN
9784814003952
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