Project/Area Number |
19K06859
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45040:Ecology and environment-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022-2023) Osaka Prefecture University (2019-2021) |
Principal Investigator |
竹内 剛 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 客員研究員 (40584917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋野 順治 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (40414875)
藪田 慎司 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (50350814)
高崎 浩幸 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70222081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 配偶行動 / 認識 / チョウ / 化学分析 / 昆虫 / 汎求愛説 / 性認識 / 縄張り / 闘争 |
Outline of Research at the Start |
チョウは鮮やかな色彩の翅を持つ種が多く、それが性認識に使われているとする主張がしばしば見られる。しかし、異性認識はともかく、同性認識の証拠となる、交尾機会から相手を排除する行動は知られていない。申請者は、異性を認識することはできるが、同性は異性に似た何かとしか認識していない不完全な性認識を仮定すれば、これまでのチョウに関する実験・観察事実は全て説明できると考えている。本研究では、不完全な性認識説を、理論と実験の両方から検証する。それによって、基本的な生物現象である闘争行動や性選択に対する理解も進歩することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
求愛や闘争や逃避など、チョウの動物間相互作用を記述するためには、チョウが「配偶相手」と「危険物」の二つのプロトタイプを持つと仮定すれば十分であり、従来のように「同性」という認識を持つと仮定する必要はないとするPartner-hazard continuum理論(PHC)を構築した。この理論によれば、チョウの闘争は、オスどうしがお互いに対して求愛行動の初期フェーズを示していると記述される。さらに、信号検出理論をPHCに適用すれば、チョウの目立つ色彩などの第二次性徴は、配偶相手を迅速に識別するための機能を果たしていると説明される。これまで、チョウ(特にオス)が鮮やかな色彩を持つことは、メスが鮮やかなオスと選択的に交配するという性選択の枠組みで説明されることが多かった。従来の性選択理論では、鮮やかな色彩を持つオスを選ぶことに遺伝的なメリットを仮定する必要があったが、それを支持する実証研究は極めて限られており、一般性があるとは言えない状況だった。今回PHCにより、チョウの目立つ色彩を、配偶者認識のための信号として説明できることになり、より一般性のある説となることが期待される。この成果は2023年7月にプラハで開催された9th Biology of Butterfliesで発表した。 また、キアゲハの雌性フェロモンを同定するための行動試験を行った結果、メスの翅に含まれる極性の弱い物質の中にフェロモンが含まれることが判明したので、その成果を日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会合同大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
PHCは新しい考え方であるために、学術誌の査読でも批判を受けることが多く、簡単には論文が受理されずに時間がかかっている。 また、本研究課題の遂行中に新型コロナウイルスが蔓延したり、調査地に向かう林道が崩落したりして、予定通りフィールドワークが進まなかったことも、研究が遅れる一因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験結果から、キアゲハのメスの翅の抽出物中の微極性成分に、雌性フェロモンが含まれていると考えられる。そこで、キアゲハのメスの翅の抽出物の微極性成分を3画分程度に分画して行動試験を行い、活性が見られた画分をオス抽出物、メス抽出物ともに化学分析にかける。メスの翅に特異的に含まれる成分が見つかれば、それをダミーに塗布して野外でオスに提示する実験を行い、雌性フェロモンの特定を目指す。 Partner-hazard continuumに関してはすでに論文投稿中なので、そのまま論文が受理されることを目指す。また、その内容を、2024年8月に京都で開催される国際昆虫学会で発表する。 チョウの配偶行動の進化を扱った数理モデルについては、PHCの応用としてまとめる予定である。
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