Project/Area Number |
19K06918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
武井 陽介 筑波大学, 医学医療系, 教授 (20272487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 哲也 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10634066)
岩田 卓 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80855883)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | Th17細胞 / IL-17A / 自閉スペクトラム症 / ミクログリア / RORγt / KIF17 / 海馬 / RORgt / トランスジェニックマウス / IL-17 / 胎児の脳発達 / 胎盤組織の脆弱化 / 子宮内環境 / 母体免疫反応 / アストロサイト / 自閉症スペクトラム / 統合失調症 |
Outline of Research at the Start |
ヘルパーT細胞サブセットであるTh17細胞による免疫反応は、統合失調症・自閉症スペクトラム障害など様々な疾患への関与が示唆されているが、Th17細胞による免疫反応が脳にどのような分子機構でいかなる変化を及ぼすのか不明である。本研究は、Th17細胞過剰の変異マウスを利用し、Th17細胞過剰が脳に及ぼす影響を行動、脳組織、遺伝子/蛋白発現、Th17細胞抑制剤の効果の4項目について解明する。本研究を通じ、免疫反応を介する精神神経疾患の病態の一端を明らかにし、ドラッグ・リポジショニングへの新たな基盤を確立する
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Outline of Annual Research Achievements |
Th17細胞はインターロイキン(IL)-17Aを産生するT細胞のサブセットである。最近の研究では、妊娠母体中の血清中のIL-17Aの増加が胎児脳の脳発達障害や出生後の認知機能障害を引き起こし、自閉スペクトラム症などの精神・神経系疾患の病態に関与していることが示されている。 Th17細胞の分化に不可欠な転写因子であるRORγtを過剰発現するトランスジェニックマウス(RORγtTgマウス)の脳の変化を調べたところ、ミクログリアの密度が海馬歯状回で著名に低下していることが判明した。一方、NMDA受容体サブユニット2A, 2B, PSD-95, PSD-93などのシナプスに局在するタンパク質のレベルに有意差は認められず、新規物体探索テストでも有意差は認められなかった。一方、マウス胎児の側脳室にリコンビナントIL-17を微量注入したところ大脳皮質ミクログリアが活性化され、多くのミクログリアがアメボイド型に変化すると共に局在も変化することを見出した。以上により、IL-17Aを介した免疫反応のターゲット細胞はミクログリアであるが、IL-17Aのミクログリアに対する作用はコンテクストにより差異があり背景に複雑な制御機構の存在を予想させる。更に我々はマウスに二本鎖RNAであるPolyI:Cを投与しサイトカイン産生を増強すると神経伝達物質受容体を輸送する分子モーターKIF17が上昇することも明らかにした(投稿中)。以上から、既に自己免疫疾患の治療薬として確立されているIL-17Aの抗体等を、精神・神経系の病気の予防・治療に応用する可能性が今後期待されるが、同時にIL-17Aの作用機構の詳細を精査することも重要であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胎児脳においてIL-17A単独でミクログリアを活性化できることを始めて直接的な実験で示し、Maternal Immune Activationによる胎児脳障害において中心的な役割を果たす細胞がミクログリアであることを始めて明らかにした。また、サイトカイン産生を増強させた状態で神経伝達物質受容体を輸送する分子モーターKIF17が上昇することを明らかにした。これらはIL-17Aによる胎児脳障害の原因を考える上で重要な知見である。
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Strategy for Future Research Activity |
Th17細胞への分化を抑制する薬剤(ヒトの関節リウマチ等の治療薬Tocilizumabと同等の作用がマウスで確認されているMR16-1等)をマウスに投与し胎児脳障害の予防効果を調べる。KIF17等を中心に、IL-17Aによりミクログリアの細胞内輸送機構に変化が生じる可能性を神経細胞生物学的に検討する。
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