Project/Area Number |
19K06929
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 46020:Anatomy and histopathology of nervous system-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
樫山 拓 順天堂大学, 医学部, 助教 (90338343)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高杉 展正 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (60436590)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | BACE1 / APP / Amyloid beta / Alzheimer's disease / amyloid beta / アルツハイマー / アミロイドプラーク / 軸索輸送 |
Outline of Research at the Start |
アルツハイマー病の病理に中心的役割を果たすアミロイドβ(Aβ)は前駆体タンパク質(APP)がBACE1・γセクレターゼによる2段階切断を受けて産生される。Aβ凝集体からなる老人斑の近傍では、神経突起における小胞輸送障害により変性神経突起が形成される。輸送障害部位ではAPP・BACE1の蓄積が起こり、悪循環的にAβ産生亢進、凝集体の形成促進、変性神経突起形成・神経機能障害が進行すると考えられている。本研究では輸送障害部位においてAPPとBACE1が集積する仕組みを明らかにし、Aβ産生促進へ至る機序の解明を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病の病理に中心的役割を果たすアミロイドβ(Aβ)は前駆体タンパク質(APP)がBACE1・γセクレターゼによる2段階切断を受けて産生される。 Aβ凝集体からなる老人斑の近傍では、神経突起における小胞輸送障害により変性神経突起が形成される。輸送障害部位ではAPP・BACE1の蓄積が起こり、悪循環的にAβ産生亢進、凝集体の形成促進、変性神経突起形成・神経機能障害が進行すると考えられている。 我々がAPP結合タンパク質として見出したタンパク質Xが老人班周囲に集積することを報告しているが、さらにタンパク質XがBACE1とも結合することを発見した。以上のことから、このタンパク質XがAPPとBACE1の集積を促し、Aβ産生を亢進しているというのではないかという仮説を立てた。タンパク質Xの機能を修飾することでAβ産生を抑制できれば新たなアルツハイマー病治療薬の標的となることが期待される。 アルツハイマー病モデルマウス脳スライス固定標本の免疫染色によりアミロイドプラーク周辺におけるBACE1およびタンパク質Xの集積を確認した。BACE1とタンパク質Xの同時染色に必要な抗体が無いため、抗BACE1-VHH抗体を利用し共局在を検討したが、感度が不十分なため改善が必要である。 タンパク質XとBACE1の結合部位を明らかにするため、それぞれについて部分欠損変異体を作製し、株化細胞を用いて免疫沈降、および蛍光顕微鏡による共局在を指標に結合を評価した。少なくとも互いの膜貫通ドメイン同士の結合が確認され、加えて細胞外ドメインの複数の結合部位が存在することが示唆された。タンパク質XはBACE1以外に他のタンパク質と複合体を形成することが示されていることから、3者が存在するときの結合様式や振る舞いをさらに検討する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タンパク質Xがアルツハイマーモデルマウス脳のアミロイドプラーク周辺に蓄積することをを見出した。タンパク質Xはアミロイドプラーク周辺で軸索が膨化して生じる変性神経突起と関連があることが示唆された。 これらのメカニズムを解明するため、脳スライス固定標本ではなく、生きた神経細胞において人工的にアミロイドプラークを形成する実験系の確立と遺伝子導入方法の改善が必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
生きた神経細胞におけるBACE1とタンパク質Xの結合および輸送を解析するための実験系を確立する。初代神経分散培養においてアミロイドプラークを形成を再現する実験系の確立する。また、および脳スライス培養におけるアミロイドプラーク形成モデルに当該タンパク質遺伝子を導入するためにAAVベクターの作製中である。
|