Project/Area Number |
19K07210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47060:Clinical pharmacy-related
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
佐井 君江 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 主任研究官 (20195960)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 嗣道 東京理科大学, 薬学部薬学科, 准教授 (50305950)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | バイオシミラー / リアルワールドデータ / 抗TNFα抗体 / 副作用報告データベース / ナショナルデータベース / 臨床的同等性 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、本邦のリアルワールドデータを用いて、適応疾患別に、バイオシミラーの先行品との臨床的同等性の評価、ならびに同等性に影響する要因について分析・考察することを目的とする。そのため、抗TNFα抗体医薬を対象に、全国規模のレセプトデータベースを用いて、処方継続率及び有害事象発生率を指標に、バイオシミラーの先行品との同等性を評価し、また治療対象患者の特性や中止時の実態(処方増量割合や有害事象発生割合)を調査し、中止理由やそれに影響し得る内的・外的要因を分析・考察する。さらに、副作用報告データベースを用いて、網羅的に副作用プロファイルを比較し、これらの結果から総合的に同等性について評価・考察する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、リアルワールドデータを用いて、バイオシミラー(BS)の先行品との臨床的同等性の評価、ならびに同等性に影響する要因について分析・考察することを目的とする。令和5年度は、医療機関のデータベースを用いて、インフリキシマブの先行品(IFX-R)と全BS(IFX-BS)の処方動向、ならびに治療継続期間に関して、主な適応症別に、IFX-RとIFX-後続1(IFX-BS1)との間で比較し、臨床上の差の有無や要因について考察した。【方法】JMDC医療機関データベース(2014年4月~2022年10月)より、IFX処方症例データ(全6340例)を抽出し、製剤別の処方総数の年次推移を調査した。次に、主な適応症ごとに、IFX-BS1単独群(651例)の2年間までの治療継続期間について、背景(年齢層、性別、合併症、他のバイオ製剤の使用歴)で調整した比例ハザードモデルを用いて、IFX-R単独群(4976例)と比較した。【結果・考察】IFX-BS(BS1~BS3)の処方総数は、2015年(0.5%)から2022年(23.7%)にかけて徐々に増加していた。治療継続期間は、関節リウマチ及び潰瘍性大腸炎の症例では群間で有意な差は見られず、クローン病の症例では、IFX-BS1単独群はIFX-R単独群より短期の傾向にあったが、新規(60日以上のIFX前処方歴無し)の症例では有意差は無かった。治療継続期間は、合併症や他のバイオ製剤治療歴により短縮する可能性が示唆された。【結論】本結果より、IFX-BSの普及はなおも限定的であるが、適応症により治療継続性に違いが見られる場合があり、その要因として合併症や治療歴の違いが寄与する可能性が示唆された。さらに症例数を蓄積し、より詳細な要因分析が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度からの新型コロナウイルス感染症対策の緊急業務は令和3年度に一旦終了したが、令和4年度より(~令和6年度まで)新たなコロナ対策関連の業務が開始されたことに伴い、計画の実施に遅れが生じている。そのため、今年度はNDBを用いる本解析に取り組むことは出来なかったが、医療機関のデータベースを用いた試行的な解析を実施し、NDBの集団よりは小規模であるが、全国的な動向を把握することができたものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度もコロナ対策関連の業務が継続しているため、状況により実施項目を見直す可能性があるが、令和5年度の医療機関データベースを用いた解析結果は、前年度の全国規模のNDBオープンデータを用いた処方実態調査の傾向を反映しており、治療継続性の要因分析も可能であることが示唆されたことから、引き続き、有害事象の解析とともに、より詳細な要因分析を実施することとし、これらの結果を踏まえ、NDBの本解析に取り組む予定である。
|