哺乳類の脳容積拡大を可能にした頭蓋底の形態進化過程の解明
Project/Area Number |
19K07244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Juntendo University (2021-2023) Tokyo Medical and Dental University (2019-2020) |
Principal Investigator |
古寺 敏子 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (90822809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武智 正樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10455355)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 形態進化 / 神経堤細胞 / 軟骨頭蓋 / Dlx1ミュータントマウス / 三次元再構築 / Dlx1遺伝子改変マウス / Dlx1 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類が多様な環境に適応放散できた要因の一つに、脳と感覚器が集中する頭蓋顎顔面の形態進化が挙げられる。哺乳類の脳容積の拡大に伴い変化した頭蓋骨、特に脳を下部から支える頭蓋底の基本構造である軟骨頭蓋は、祖先的な形態を維持する爬虫類-鳥類とは大きく異なる。軟骨頭蓋前半部の構成要素である耳前柱、梁軟骨、極軟骨の形成について、現存する哺乳類胚(マウス、オポッサム、カモノハシ)や爬虫類-鳥類胚(ニワトリ・ヤモリ)を用いた比較発生学的解析により、哺乳類の頭蓋底の形態進化をもたらした発生イベントを同定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、羊膜類の軟骨頭蓋前半部の発生過程における未解決の問題を、比較発生学的手法を用いて解析することにより、哺乳類の頭蓋底の形態進化を明らかにすることである。前年度までに、in situハイブリダイゼーションを行い軟骨分子マーカーであるCol1a2がマウス胎齢13日胚の中脳褶曲下の間葉に一過的に発現していることから、爬虫類―鳥類では存在する耳前柱が哺乳類の進化の過程において消失することで脳が外側に拡大した可能性を検討した。哺乳類の下垂体直下に形成される軟骨(下垂体軟骨)は爬虫類―鳥類の極軟骨と相同と考えられるか否か、について、ニワトリを用いた複数個体の鰓弓の上顎突起の間葉細胞領域を蛍光色素DiIで標識した細胞の移動実験と、上顎突起の間葉細胞領域の焼却切除実験結果から、極軟骨は鰓弓の上顎要素を含む可能性を見出した。マウスでは上顎要素の神経堤細胞がDlx1で標識された遺伝子組み換えマウス(Dlx1-creERT2:R26R)のX-gal染色結果から、ニワトリの極軟骨に相当する部位にDlx1の発現が見られたが、個体により発現に差があることからニワトリと相同な部位の特定ができていなかった。 本年度はこれまでに得られた結果について追試や再試を行なったが、遺伝子組み換えマウス胎児標本は十分な数を手に入れることができずに十分な追試が行えていない。また、すでに切片化してある有袋類のオポッサム胎児標本のHE染色を行い、軟骨頭蓋前半部の形成過程について考察したが、標本が1個体のみであったため、明確な結論が得られなかった。今後は新たな標本を得てデータを追加し、原著論文としてまとめる予定である。
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Report
(5 results)
Research Products
(1 results)