聴覚と平衡覚を担う内耳感覚上皮の形成とその配置の分子機構の解明
Project/Area Number |
19K07273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70306108)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 感覚器形成 / 内耳 / 耳プラコード / ホメオボックス遺伝子 / Six1 / エンハンサー / ゲノム編集 / 突然変異マウス / 蝸牛有毛細胞 / 難聴 / 転写制御 / 組織特異的エンハンサー / ゲノム編集マウス / プラコード / 感覚器プラコード / 転写調節 / 有毛細胞 / 感覚器障害 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類の内耳は進化が生み出した最も精巧な感覚器である。聴覚及び前庭覚を担う有毛細胞には機能と形態が異なる4種が存在し、蝸牛に1ヶ所、前庭には5ヶ所の計6ヶ所に分布する。しかしながら、蝸牛・前庭の特異的部位で有毛細胞分化の鍵遺伝子Six1が活性化される仕組み、また、4種の有毛細胞の多様性が生じる仕組みは不明である。本研究は、『蝸牛のコルチ器と前庭の感覚上皮の形成とその配置の分子機構』の解明を最終目的として、Six1エンハンサーの同定とその活性化機構の解明を目指す。本研究は、内耳有毛細胞の分化制御の理解に貢献する。また、有毛細胞の分化誘導と再生への道を拓き、難聴の病態解明と治療法開発に役立つ。
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Outline of Annual Research Achievements |
Atoh1-EGFPマウス17.5日胚より単離した蝸牛有毛細胞のATAC-seq解析を行い、Six1遺伝子の周囲に7ヶ所のオープンクロマチン領域(ATAC1〜7)を同定し、内耳形成過程ではたらくエンハンサー候補とした。ATAC1とATAC2は以前同定した進化的に保存されたSix1-21およびSix1-12エンハンサーを含んでいたため、優先的に解析を進めた。Six1-21はマウスとニワトリ胚において、耳プラコードから転写を活性化し、内耳の原基である耳胞の段階まで転写を活性化する。一方、Six1-12は形成された耳胞の腹側で転写を活性化する。しかし、両者の耳胞形成後のエンハンサー活性は不明であった。そこで、以下の解析を行った。(1)13.5日マウス胚由来の蝸牛管上皮の器官培養系を用いてエンハンサー活性の検出を試みたが、低い導入効率を改善することは難しく、hsp68プロモーターを使ったレポーターコンストラクトでは特異的エンハンサー活性を検出できなかった。(2)理研BRC・天野孝紀先生との共同研究により、ATAC1とATAC2を単独または二重で欠失するエンハンサー欠失マウス系統を樹立した。ATAC1、ATAC2、ATAC1/2二重欠失マウスのいずれも胚性致死ではなく、明らかな形態の異常も見られなかった。興味深いことに、 ATAC1/2二重欠失マウスは頭部をくり返し上げる動作(head tossing)と旋回行動(circling)を示し、内耳機能の重篤な異常が強く示唆された。しかし、10.5日胚の耳胞の大きさや形には明確な異常は認められず、ATAC1/2が欠失しても耳胞は形成され、耳胞以降の内耳形成過程の異常が予想された。そこで成体マウスの内耳を観察しところ、内耳が小さく、正常な形態の蝸牛が存在しないこともわかった。内耳の形態異常について詳細な解析を進めている。
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Report
(5 results)
Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Secretory GFP reconstitution labeling of neighboring cells interrogates cell-cell interactions in metastatic niches2023
Author(s)
Minegishi M, Kuchimaru T, Nishikawa K, Isagawa Takayuki、Iwano S, Iida K, Hara H, Miura S, Sato M, Watanabe S, Shiomi A, Mabuchi Y, Hamana H, Kishi H, Sato T, Sawaki D, Sato S, Hanazono Y, Suzuki A, Kohro T, Kadonosono T, Shimogori T, Miyawaki, Takeda N, Shintaku H, Kizaka-Kondoh S, Nishimura S
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 14
Issue: 1
Pages: 8031-8031
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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