Project/Area Number |
19K07358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48040:Medical biochemistry-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
井上 明俊 関西医科大学, 医学部, 助教 (50709152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寿野 良二 関西医科大学, 医学部, 講師 (60447521)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 痒み / GRPR / 構造解析 / クライオ電顕 / 機能性抗体作製 / がん / 結晶構造解析 / 抗体医薬 |
Outline of Research at the Start |
近年、脊髄においてGRPやNMBを介した痒み特異的な中枢シグナル経路が発見され、痒み治療の新たなターゲットとして注目されている。本研究では立体構造認識抗体を足場とした独自の結晶化手法を用いて、GPCRファミリーである中枢痒み受容体(GRPR、NMBR)のX線結晶解析を行い、痒み治療薬開発に重要な情報を得ることを目的とする。GRPRは肺がんや大腸がんなどの様々ながんにおいて過剰発現し、がん細胞の増殖や分化に関わる発がん因子でもある。本研究で作製するGRPRの立体構造認識抗体から阻害活性を持つものをスクリーニングし、がんの抗体医薬としての有用性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究はGPCRファミリーである中枢痒み受容体GRPRのX線結晶解析やクライオ電顕を用いた構造解析を行い、痒み治療薬開発に重要な情報を得ることを目的とする。また、GRPRは肺がんや大腸がんなどの様々ながんにおいて過剰発現し、がん細胞の増殖や分化に関わる発がん因子でもある。そこで、本研究では構造解析の過程で作製するGRPRの立体構造認識抗体から阻害活性を持つものをスクリーニングし、がんの抗体医薬としての有用性を検証することを目的とする。 一般的にGPCRは大部分が細胞膜に埋もれているうえに、活性型と不活性型の平衡状態で存在するため構造的にゆらぎが多く、大量変現が難しい。そこで、GRPRのC末端にGFPを結合させた融合タンパク質GRPR-GFPに様々な安定化変異を導入し、HEK293細胞に発現させ、蛍光検出機を備えたHPLCを用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行いGRPR-GFPの発現量と安定性をGFPのピークを指標に解析した。GRPRは発現が不安定であり野生型のGRPR-GFPではほとんど発現のピークが確認できなかったが、N末、C末の欠損や点変異の導入、細胞内第3ループへの融合タンパク質bRILの導入を組み合わせることによりGRPRの構造的な安定化と高発現化に成功した。これにより、HEK293細胞を用いた大量培養系を用いてGRPRの安定化変異体(bRILあり、bRILなし)のタンパク質精製を行った。 現在、GRPRの安定化変異体(bRIL導入あり)はbRIL抗体との複合体を作製し、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析を行っている。また、GRPRの安定化変異体(bRIL導入なし)はマウスに免疫しGRPRの機能性抗体の作製を行い、得られた抗体に関して結合能や阻害活性の評価を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
GRPRは痒みの主要な中枢受容体であり、癌細胞で高発現するのでPETのターゲットにもされている重要なタンパク質である。しかし、発現が非常に不安定であるために精製が難しく、その構造はまだ明らかになっていない。本実験では、GRPRに様々な安定化変異を組み合わせて導入することで、安定化変異体を作製し、純度の高いタンパク質の精製を行うことができた。結晶はまだ見られていないが、クライオ電顕での撮像に成功しており、構造解析に向けて順調に研究が進んでいる。また、マウスに免疫することで、様々なGRPRへの結合能を持った抗体の作製にも成功しており、今後抗体の評価を行うことで癌治療薬の候補となる抗体が得られる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
GRPRの安定化変異体(bRIL導入あり)はbRIL抗体、bRIL抗体のFabとの複合体を作製し、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析を行う。またbRILの位置を変化させることでさらに安定化を行い、結晶化を促進し、結晶構造解析を行う。 得られているGRPR抗体に関しては、フローサイトメトリーを用いた結合の評価、スプリットルシフェラーゼを用いたNanoBiTアッセイを用いて阻害活性を測定し、機能性抗体の評価を行う。
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