コレラ菌における染色体数のバリエーションに関する研究
Project/Area Number |
19K07551
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49050:Bacteriology-related
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
山本 章治 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (80469957)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2019: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | コレラ菌 / 単一染色体 / 複製 / 組換え / プラスミド様配列 / 表現型 / 合成致死 / PCR / 遺伝子発現 |
Outline of Research at the Start |
コレラ菌等のビブリオ属細菌の染色体数は従来まで二本と考えられていたが,近年一本の染色体を持つコレラ菌株が同定されつつある。本研究では,1)コレラ菌分離株における単一染色体の保有率,2)染色体数の違いがコレラ菌の表現型に及ぼす影響、3)コレラ菌染色体数の変動を誘発する環境条件とそのメカニズムについて解析を行い,染色体数のバリエーションがコレラ菌の生存戦略に果たす役割について明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はコレラ菌の単一染色体株V060002(Single Chromosome(SC)株)の染色体が2本に分離したバリアント(Two Chromosome(TC)株)をスクリーニングするとともに、両者の増殖能を比較した。本年度はSC株とTC株における遺伝子発現の違いを明らかにするためにRNA-seqを行った。その結果、SC株ではTC株に比べてリボース取り込み系の遺伝子群とCTXファージの複製に関わる遺伝子群の発現がそれぞれ約16倍と約4倍に上昇していた。また、染色数の変動を解析するためのレポーター系を用いてTCからSCへの変換に関わる因子について探索したところ、V060002のゲノムに特異的にコードされる約28 kbpの遺伝子クラスターが重要な役割を担うことが示唆された。この遺伝子クラスターはSalmonella Genomic Island-1(SGI-1)と相同性が高いため、Vibrio Genomic Island-1(VGI-1)と命名した。SGI-1は染色体からの切り出しと複製に関わる遺伝子や接合伝達開始点oriTをコードしているなどプラスミド様の特徴をもつが、その自律的複製と接合伝達を活性化するためにはヘルパープラスミドを導入する必要がある。そこでVGI-1とヘルパープラスミドpVCR94を共存させたところ、両者が単独で存在する場合に比べてTCからSCに変換される効率が100倍以上に上昇した。この結果から、pVCR94の存在下で活性化されるVGI-1由来の因子が単一染色体化を誘導しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNA-seqの結果に基づいた表現型の解析を行うことができなかった。また、TCからSCへの変換に関わる因子を同定することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1)RNA-seqの結果に基づき、リボースの利用能とCTXファージ粒子(DNA)の産生能を比較する。2)VGI-1の遺伝学的な解析を行い、TCからSCへの変換に関わる因子を同定する。
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Report
(4 results)
Research Products
(3 results)