Project/Area Number |
19K07779
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 興秀 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90726324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 大 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30608906)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 大腸癌 / マイクロサテライト不安定性 / Fusobacterium / 臨床検体 / 細菌DNA検出系 / 動物モデル / Fusobacterium nucleatu / 腫瘍免疫 / ミスマッチ修復遺伝子 |
Outline of Research at the Start |
発がん要因の一つとしてHelicobacter pyloriやB型・C型肝炎ウイルスなどの微生物感染が挙げられる。近年,グラム陰性嫌気性細菌F. nucleatumが,大腸がんの発生や治療に重要な影響を与えている可能性が指摘され注目されている.本研究は,マイクロサテライト不安定性から大腸がんを自然発生するマウスにF. nucleatumを感染させたモデルマウスを作製し、F. nucleatumが大腸がんの進展や治療反応性にどのように関連しているかについて、特に免疫学的見地を踏まえつつ明らかにする。さらに、F. nucleatumの排除が大腸がんの予防や治療の新たな標的となりうるか検討する.
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Outline of Annual Research Achievements |
Lynch 症候群の大腸癌はマイクロサテライト不安定性(MSI-high)を有し、その結果として、腫瘍細胞の体細胞遺伝子変異に由来する新規癌抗原(neoantigen)が出現しやすいことが示唆されている。近年、進展した大腸癌組織からGram陰性嫌気性細菌Fusobacterium nucleatum (F. nucleatum)が高頻度に検出されることが報告されている。以上を鑑み、本研究では、Lynch 症候群に由来する大腸癌の進展にF. nucleatumが及ぼす影響を明らかにすることを目指す。本年度までに、大腸癌臨床検体を用いてF. nucleatum検出系を構築し、解析を進めてきた。また、F. nucleatum特異的な核酸プローブを用いたin situ hybridization法により大腸癌組織におけるF. nucleatumの局在様式を検討したところ、腫瘍組織においてfocalな分布傾向が明らかとなった。前年度までに、in vitro実験系においても安定して複数のF. nucleatum株が嫌気培養できるようになり、大腸癌細胞株培養系にF. nucleatumを接種すると、一定時間経過後に細胞増殖が促進されることが確認された。加えて本年度はF. nucleatumを接種された培養細胞でEMTをはじめとするがんの病態進展に関わる様々な細胞応答が確認できた。その分子論的背景を精査すべくトランスクリプトームアッセイを実施し、F. nucleatum感染によって惹起されると思われる遺伝子発現パターンの候補を選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルマウス確立が非常に難航していることから、前年度からは細胞モデル中心の解析に切り替えトランスクリプトーム解析を実施した。これにより、想定していなかった腫瘍病態進展とF. nucleatumの関わりを解析する糸口が掴めた。培養細胞レベルでのF. nucleatum感染細胞の挙動とトランスクリプトーム解析の結果をまとめ上げるべく、さらにもう1年間、本研究の期間延長を申請し、承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivo実験は難航しているが、in vitro実験では、腫瘍細胞の増殖促進や、EMT誘導など、F. nucleatum感染が腫瘍病態進展に及ぼす影響を示すデータが得られている。 CRISPR/Cas9などにより、F. nucleatum感染細胞の挙動で中心的役割を果たすことが想定される分子のノックアウトを行い、前年度までの結果に立脚した仮説の検証を行う。
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