Project/Area Number |
19K07789
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 50020:Tumor diagnostics and therapeutics-related
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
冨樫 由紀 公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (00648016)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 唾液腺型腫瘍 / 融合遺伝子 / 分子標的療法 |
Outline of Research at the Start |
腺様嚢胞癌においては、MYB-NFIB, MYBL1-NFIBが組織型特異的な融合遺伝子として同定されており、癌のドライバー変異と目されている。一方、腺様嚢胞癌の有効な治療法は確立しておらず、有効な阻害剤候補すらも、これまでほとんど示されてこなかった。そこで本研究では、腺様嚢胞癌の手術検体を用いて初代培養細胞株の樹立を行い、薬剤感受性スクリーニングと、網羅的ドロップアウトスクリーニングにより、治療標的分子の探索と治療法の発見を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
腺様嚢胞癌(ACC)はきわめて稀な腫瘍であり、病状の進行は比較的緩やかであるが、局所再発や遠隔転移を来しやすく、長期予後は不良である。実臨床では有効な阻害剤が切望される一方、有効な阻害剤候補すらも、ほぼ示されてこなかった。その理由の1つに、薬剤感受性を評価するための細胞株が最近まで存在しなかったことが挙げられる。申請者らはこれまでに、ほぼすべての症例において、MYBあるいはMYBL1が高発現する様になる染色体構造異常を相互排他的に有し、それらの転写産物は、融合型、切断型、全長型と多様性に富むことを明らかにしてきた。本研究では、腺様嚢胞癌患者の手術検体より初代培養癌細胞株を樹立し、治療標的分子の探索と治療法の発見を目的として研究を行い、2022年度は以下の結果を得た。 1. これまでに集積した腺様嚢胞癌、唾液腺導管癌の手術検体およびPatient-derived xenograft (PDX)検体のRNA seqデータについて、解析を継続中である。 2. 新たに2症例の腺様嚢胞癌検体について、細胞株およびPDX樹立の機会があり、現在進行中である。それらの凍結保存検体についてPCR-basedの解析を施行したところ、1例(ACC136)はMYB -NFIB融合型、1例(ACC137)はMYBL1-NFIB融合型であった。 3. 腺様嚢胞癌症例(ACC132, ACC136, ACC137)について、PDXモデルの樹立が進行中である。また唾液腺導管癌症例であるACC129に関しては、PDX由来組織の凍結ストックを再度マウス皮下に移植したところ生着し、継代可能であった。 4. 昨年度より進めていたPLAG1免疫染色の条件検討について、条件を決定し、ACC129の患者手術検体およびPDX検体に施行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腺様嚢胞癌は稀少癌であり、手術件数はもとより少ないが、培養検体は診断に用いない余剰分より供出されるため、培養の機会は乏しい。2022年度も2020年度、2021年度に引き続き、利用可能であった手術検体は非常に少なかった。さらに、腺様嚢胞癌細胞の増殖は遅緩であり、有用な培養条件も知られていないため、細胞株の樹立は実質的に困難と言わざるを得ない。しかしながら、腺様嚢胞癌と同様に稀であり、きわめて予後不良かつ標準的な薬物療法が十分に確立されていない唾液腺導管癌症例について、PDXモデルの樹立に成功している。これまで継代し収集してきたすべてのPDX検体において、当該症例の患者手術検体より検出されたPLAG1融合遺伝子が保持されていた。また、PLAG1免疫染色により、PLAG1タンパクの高発現が確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、腺様嚢胞癌手術検体と唾液腺導管癌検体からの初代培養細胞株樹立を継続する。とくに腺様嚢胞癌症例ACC137については、細胞株樹立にはいまだ至っていないものの、稀少癌である腺様嚢胞癌の中でもおよそ1/4にしか見られないMYBL1-NFIB融合型を有しており、培養初期の細胞を用いて、阻害剤ライブラリーによる薬剤感受性スクリーニングを行う。並行して、腺様嚢胞癌症例について、取得済みのRNA seqのデータを解析し、MYBあるいはMYBL1の転写産物の違いによるそれらの発現量の比較や変異解析を行う。唾液腺導管癌症例ACC129については、ACC137と同様、細胞株樹立には至っていないが、培養初期の細胞を用いて薬剤感受性スクリーニングを試みる。また、唾液腺導管癌で報告されているアンドロゲンレセプターやHER2の高発現に着目してRNA seqや免疫染色の結果を検討する。
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