Pathologic analysis of age-related diseases based on individual quantification of polyubiquitin chain forms
Project/Area Number |
19K07899
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高田 耕司 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (30179452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 知和 東京慈恵会医科大学, 医学部, 客員教授 (30199749)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ユビキチン / ポリユビキチン鎖 / プロテオスタシス / 老化 / 細胞老化 / 正常二倍体細胞 / 加齢性疾患 / プロテアソーム / オートファジー |
Outline of Research at the Start |
近年、加齢性疾患の一因として、細胞内タンパク質の合目的分解を担う“プロテアソーム系とオートファジー系”の老化に伴う活性低下が指摘されている。そのため、タンパク分解系の状態をモニター可能な検査法は、加齢性疾患の予防・治療・予後管理に有用と考えられる。本研究では、両系の疲弊に伴って増加・蓄積するポリユビキチン鎖含有タンパク質に着目し、独自のポリユビキチン鎖ELISAを基盤としたポリユビキチン鎖各型(K48型,K63型,M1型)の測定系を確立する。これらを用いて培養細胞やマウス、健常人、加齢性疾患患者の血液検体等の各型ポリユビキチン鎖を定量し、老化および加齢性疾患との関連を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチン-プロテアソーム系やオートファジー系が担う不要なタンパク質の合目的分解は、真核生物の細胞内タンパク質の恒常性(プロテオスタシス)の維持に不可欠である。近年、老化に伴って、両分解系の機能が低下し、加齢性疾患の発症リスクとなる可能性が多数報告されている。そこで本研究では、両系の分解シグナルであるポリユビキチン鎖に着目し、プロテオスタシスに基づく老化マーカーとしての意義を検討する。ポリユビキチン鎖を認識するFK2抗体を固相と検出に用いたFK2-FK2 sandwich ELISAは、3種類(K48鎖,K64鎖,M1鎖)の各ポリユビキチン長鎖を区別なく検出し、測定値は全鎖総量に対応することが明確となった。各鎖型に特異的な測定系を確立するため、市販の各鎖(K48鎖,K64鎖,M1鎖)特異抗体を検出に用いた様々なFK2-各抗体 sandwich ELISAを検証したが、どの組み合わせも実用レベルの感度や特異性を示さなかった。ヒト正常二倍体線維芽細胞TIG-1を用いた検討では、細胞集団倍加数(PDL)62を超えると同細胞の倍加速度が遅延し、その後、肥大扁平化やSA-β-galの発現などの複製老化の特徴を示したため、PDL 24~34群、43~56群、62~72群の細胞から、1% Triton X-100可溶化画分とその不溶成分を2% SDSで可溶化した画分を調製し、分画ごとに各群のポリユビキチン鎖量を比較した。しかし、予想に反して、各平均値に有意差はなく、細胞老化の影響を見出せなかった。TIG-1細胞の老化とプロテアソーム活性の関係についても同様の結果を得ているが、実験手法の見直しなどの再検証を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
初年度はメチル基転移酵素SETD8阻害による細胞老化モデル実験系を用いて細胞内ポリユビキチン鎖の定量解析の問題点を解決し、基盤となる実験手技の標準作業手順を確立した。しかし、その後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応に伴う教育・入試等の責務の急激な増加により、研究活動の停止を余儀なくされ、2020年度の進捗に関して記載できる事項はない。2021~2022年度もCOVID-19以前ほどの研究時間を確保できない状況が続いたが、2つの重要課題、「ポリユビキチン鎖各型に特異的なELISAの構築」と「ヒト正常二倍体線維芽細胞の継代培養による細胞老化実験系」に取り組み、区切りとなる結論を得た。また、現在までの結果から派生した課題として、「温熱・寒冷曝露に伴う細胞内ポリユビキチン鎖量の変動」や「エクソソーム(細胞外顆粒)のポリユビキチン鎖含有量」などに関して予備的な検討を進めている。全体的に進捗が遅れているが、最終年度に主要な目的を達成できるように研究環境を刷新し、準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19を背景とした教育・研究環境の変化のため、当初計画していた目標をすべて達成することは困難な状況に至った。そこで、ユビキチン化現象に基づく加齢性疾患の病態解析に向けて、次の2課題を優先的に推進する。 課題1:老化モデルマウスの細胞・組織のポリユビキチン鎖定量解析 課題2:ヒト検体(血球細胞、唾液、爪等)のポリユビキチン鎖定量解析 これらの課題の実施には、研究分担者との打ち合わせなど十分な準備期間が必要であるため、その間を利用して、TIG-1細胞を用いた老化実験の結果を再検証する。時間的に可能であれば、別のヒト正常二倍体細胞を用いた検討も行いたい。また、ポリユビキチン鎖には標的タンパク質に付加した「結合型」以外に、ユビキチン化反応の基質として利用される「遊離型」の存在も知られている。これは本研究のポリユビキチン鎖定量の問題点であり、プロテオスタシスの状態を適正に評価するには、それらを区別して測定することが望ましい。そこで、これを新たな目標に設定し、結合型・遊離型ポリユビキチン鎖の分別定量を可能とする方法について検討する。
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Report
(4 results)
Research Products
(5 results)