硝子体疾患における眼内Tリンパ球6-color flow cytometry解析
Project/Area Number |
19K07942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52010:General internal medicine-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稲葉 亨 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60203204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 健児 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 専攻医 (00457988)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 硝子体疾患 / 硝子体混濁 / 眼内Tリンパ球 / フローサイトメトリー / リンパ球サブセット |
Outline of Research at the Start |
硝子体切除術時の残余検体を用いて硝子体細胞を分離し、6-color FCMで硝子体Tリンパ球の細分化(PD-1陽性Tリンパ球、活性化Tリンパ球、Treg、等)を行う。 また、硝子体液中の各種サイトカイン濃度(IL1b, IL-2, IL-4, IL-5, IL-6, IL-7, IL-8, IL-9, IL-10, IL-12, IL-13, IL-15, IL-17, Eotaxin, basic FGF, G-CSF, GM-CSF, IP-10, MCP-1, MIP-1, PDGF, RANTES, THF-α, VEGF)をELISA法で測定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(令和4年度)に硝子体混濁に対する手術を受けた患者はのべ15例(男性4例、女性11例)と前年度よりさらに減少したが、6-color FCMを実施するのに十分な硝子体細胞(1アッセイあたりCD45陽性細胞≧100個)を分離し得た患者数はのべ12名(男性4例、女性8例)であり、前年度から大幅に増加した。術前診断は悪性リンパ腫4例、サルコイドーシス2例、ウイルス性内眼炎1例、その他5例であった。 B細胞性リンパ腫(B-IOL)4症例で硝子体Tリンパ球CD4/CD8比<1.0と低下していたのは2例のみであったが、T reg比率は全例で5%未満、PD-1陽性CD8 T比率は全例で70%以上であったが3例では90%以上と著しく高値であった。一方、T細胞性リンパ腫1例およびHTLV-1関連ぶどう膜炎では、T.reg比率は他疾患に比べて著しく高値(48.9%、60.3%)であった。ウイルス性内眼炎確定例は1例のみであったが、硝子体Tリンパ球CD4/CD8比<1.0、Treg比率は16.4%と12例中最も高値を示した。サルコイドーシスでは硝子体Tリンパ球CD4/CD8比>25の典型例以外にCD4/CD8比<1.0の非典型例もあった。Treg.比率はウイルス性内眼炎より低率、PD-1陽性CD8T比率はB細胞性リンパ腫より低率であった。診断未確定例 2例はIgH遺伝子再構成を認めず、T.reg比率 約10%、PD-1陽性率は約50%であり、サルコイドーシス類似パターンであったが、1例ではCD4/CD8比<1.0であった。 一方、眼内サイトカイン濃度に関しては、B-IOLでは硝子体内IL-10/IL-6比は4例全例で≧1.0であったが、サルコイドーシス及びウイルス性内眼炎では3例全例で<1.0であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度も新型コロナ感染症流行による手術枠制限が断続的に繰り返されたため、硝子体手術実施患者はのべ15例と前年度よりさらに3例減少した。ただし、解析可能症例数は2021年度の5例から2022年度は12例と大幅に増加した。これにより2022年度末までにFCM検査結果の解析が終了した患者数はB-IOLのべ14例、サルコイドーシス11例、ウイルス性内眼炎5例となった。本研究では当初これら三大疾患について20症例ずつの解析を計画していたので、必要症例数の確保自体は大幅に遅れていることになる。しかし、一方で2022年度末時点での途中解析では三大疾患の特徴的なFCM所見が有意差をもって示すことが出来ており、2022年度に12症例のデータを得られたことで、2021年度迄の遅れを幾分取り戻せたものと思われる。 なお、IL-6およびIL-10以外の硝子体サイトカイン濃度は、ある程度の検体数(40検体程度)が集まった際に一括して測定するのが効率的であるため、2022年度までは対象検体の凍結保存に努めてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
三大疾患のうちB-IOLとサルコイドーシスは当初予定症例の半数(10例)を超えているが、ウイルス性内眼炎は新型コロナ感染症の流行以前から他の2疾患よりも手術症例数が絶対的に少なかったため、このままでは当初予定の半数(10例)にも到達しない可能性がある。ただし、上記のように解析症例数が少ないながらも主なFCM検査結果には有意差が出ているため、特に研究計画の変更は考えていない。一方、三大疾患以外でも成人T細胞性白血病関連ブドウ膜炎やT-IOLではT,reg比率に特徴的な所見を認めており、あと2-3例の追加解析が望ましい。 なお、IL-6、IL-10以外の硝子の体サイトカイン濃度に関しては、これまで凍結保存した検体を用いて、2023年度に一括測定予定である。
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Report
(4 results)
Research Products
(10 results)