Project/Area Number |
19K07973
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
|
Research Institution | Aichi Medical University (2021-2023) Nagoya University (2019-2020) |
Principal Investigator |
中村 亮一 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80723030)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤内 玄規 愛知医科大学, ALS治療研究開発部門, 助教 (00748353)
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
熱田 直樹 名古屋大学, 附属病院, 講師 (90547457)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / ALS / VCP / KIF5A / FGF1 / SOD1 / 次世代シークエンサー / 遺伝子変異 / THSD7A / ACSL5 / ATXN3 / 網羅的遺伝子解析 / ターゲットリシークエンス |
Outline of Research at the Start |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は代表的な神経難病である。近年、家族性ALS原因遺伝子が数多く同定され、ALSの病態解明と根治的治療法開発の重要な手がかりになりつつある。しかし、大部分を占める孤発性ALSの関連遺伝子は十分に解明されていない。パーキンソン病とゴーシェ病との関連のように、異なる疾患との関連が遺伝子解析により示される場合がある。本研究では、多数のALS患者のDNA検体を用いて、ALS以外の神経変性疾患、筋疾患、末梢神経疾患の関連遺伝子の網羅的解析を行い、それらの変異とALSとの関連を明らかにする。新たなALS関連遺伝子の同定により病態解明、治療法開発の重要な手がかりを提供できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は代表的な神経難病であるが、近年病態関連遺伝子が数多く同定されている。30種類以上判明しているALS関連遺伝子はRNA代謝やタンパク質品質管理などの機能に分類でき、依然謎であるALSの病態解明と根治的治療法開発の重要な手がかりになりつつある。しかし判明したALS関連遺伝子の多くは家族性ALSの解析から同定されており、大部分を占める孤発性ALSの関連遺伝子は十分に分かっていない。より多くのALS関連遺伝子を探索同定する必要があるが、通常そのためには数千例以上の規模でのゲノムワイド関連解析が必要であり、容易ではない。しかしパーキンソン病とゴーシェ病との関連のように、異なる疾患の関連が遺伝子により示される場合があり、その発想を用いた候補遺伝子アプローチにより、効率よくALS関連遺伝子を探索同定できる可能性がある。 本研究では、多数のALS患者のDNA検体及び縦断的臨床像を用いて、ALS以外の神経変性疾患、筋疾患、末梢神経疾患の関連遺伝子の網羅的解析を行い、それらの変異とALSとの関連を明らかにする。 令和5年度は孤発性ALS 1,076例の網羅的遺伝子解析データと生存期間に対して関連解析を施行し、FGF1、THSD7A、LRP1の3遺伝子座を同定した。FGF1、THSD7AはALS患者のiPS細胞から分化させた運動ニューロンでも病態が再現され、論文報告した。 さらに、ALS 2015例の網羅的遺伝子解析データを用いて、ALSの発症年齢に影響する遺伝子を同定した。他にもSOD1変異を有する家系の解析も行い病理像などもふくめて検討している。また、ALSと前頭側頭葉変性症、封入体ミオパチー、骨パジェット病など多彩な表現型を呈する多系統蛋白質症の家系の遺伝子解析を進めている。 また、複数の疾患関連遺伝子の候補を見いだしており、それらの機能解析をすすめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に当初予定していた症例を上回る症例数のALS患者に対して網羅的な遺伝子解析を施行した。抽出されたvariantを今日までにALSや前頭側頭葉変性症、遺伝性痙性対麻痺、末梢神経障害、筋疾患の発症の原因として同定されているもの、ALSや上記疾患の発症には無関係であると同定されているもの、またそのどちらでもないものに分類し、それぞれサンガー法で変異の有無を確認している。いくつか疾患関連遺伝子の候補を同定し、別のコホートでのvalidationや機能解析に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度も引き続き、新規に収集したALS患者のDNA検体に対して網羅的なシーケンスを行った上で抽出されたvariantについての解析を施行する。また、現在見いだしている疾患関連遺伝子の候補に関して別のコホートでのvalidationや分子生物学的検討を行ったり、variantを持つ症例と臨床像との関連も検討する。臨床像との関連が判明したvariantを持つALS患者に対して剖検が施行されていれば、病理学的検索を行い、患者由来のiPS細胞を用いて病態解明につながる検索を行っていく予定である。
|