統合失調症の認知機能障害に対する新規の聴知覚・視知覚訓練の開発と改善効果の検討
Project/Area Number |
19K08034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52030:Psychiatry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊巻 敦人 北海道大学, 大学病院, 助教 (70515494)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2019: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 統合失調症 / 認知機能障害 / 聴知覚訓練 / 視知覚訓練 / 脳波 / 認知機能改善療法 |
Outline of Research at the Start |
精神疾患における認知機能障害は、精神症状以上に社会生活機能に影響することが分かっています。治療法として認知機能改善療法という認知リハビリテーションがあります。PCを用いて記憶や注意力を改善させる訓練を行います。認知機能改善療法は改善効果がありますが、軽度でありさらなる改善効果のある介入が望まれます。他方で、米国で開発された聴知覚訓練は聴覚情報への注意や記憶力を高める訓練で、認知機能全般を大きく改善させることが報告されています。本研究では、聴知覚訓練を日本語化し、どのようなメカニズムで患者さんの認知機能障害を改善させるか検討します。そして聴知覚訓練が日本で使用されることを促したいと思います。
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Outline of Annual Research Achievements |
精神疾患は精神症状だけでなく情報処理に関わる神経認知機能や対人場面で駆動する社会認知機能の障害が存在し精神症状以上に社会生活機能に影響することが分かっている。特に統合失調症は神経認知障害の重症度が高く、現在では様々な認知機能改善療法が提案され、我が国でも少数の施設であるが実践されている。しかし認知機能改善療法はメタ解析によると改善の効果量は軽度であり、患者の神経認知機能、社会生活機能を十分に改善できるものではない。他方で、聴知覚処理を鋭敏にさせる聴知覚訓練は既存の認知機能改善療法より大きな改善の効果量を示している。この聴知覚訓練は、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究グループでしか検討が行われておらず、他の研究者によるさらなる介入の工夫や異なる文化圏の患者への効果についての検討が求められる。本研究では新規に聴知覚、さらに視知覚機能を向上させる新規知覚訓練を開発し、神経認知機能への改善の効果量について検討する。聴知覚訓練はBrainHQ(webで行える認知機能訓練サービス)より、8課題を選択し、1日1時間、合計で40時間行うこととした。視知覚訓練もBrainHQから8課題選択肢、1日1時間、合計で40時間行うこととした。 2022年度は、研究体制が整っているものの、新型コロナ禍による、研究実施施設での感染症対策に遵守したため十分な例数を集められなかった。5名の同意を得て、介入前後の検査、介入を完全に遂行できたのは1例だけであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は臨床研究である。精神疾患の1つである統合失調症患者に、ノートPCを貸与し、自宅で、聴知覚訓練、もしくは視知覚訓練を行う。介入前後では、精神症状の評価、認知機能検査の施行、脳波計測を行う。これらの評価は長時間、患者と近距離で過ごす必要がある。2020年からの新型コロナ禍で、研究実施施設での感染症対策を遵守しており募集、実施が困難であったため、必要例数に達してない状況であった。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究に関する実施体制は既に整っている。2023年度は患者のリクルート、介入前後の各種評価の実施、介入の実施、研究の統括を行う。北海道大学病院に通院する統合失調症の全患者に本研究について紹介することで必要例数の患者をリクルートする。
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Report
(4 results)
Research Products
(7 results)
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[Book] 「精神疾患における認知機能障害の矯正法」臨床家マニュアル 第2版2019
Author(s)
アリス・メダリア (著), ティファニー・ハーランズ (著), アリス・サパースタイン (著), ナディン・レヴハイム (著), 中込 和幸 (監修), 橋本 直樹 (翻訳), 池澤 聰 (翻訳), 最上 多美子 (翻訳), 豊巻 敦人 (翻訳), 森元 隆文 (翻訳), 井上 貴雄 (翻訳), 國田 幸治 (翻訳)
Total Pages
196
Publisher
星和書店
ISBN
4791110390
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